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塁
「塁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
事件そのものに嘘があるせいと云うよりは、むしろ私の申し上げ方が、ポオやホフマンの
塁《るい》を摩《ま》すほど、手に入っていない罪だろうと思います。何故と云えば一二....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いの場所だったことは、諸君も知っておることだろう。たがいに、川の南北に陣どって堡
塁をきずき、いまなお一触即発の形勢にある。では、その境界争いはなんのために起った....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ら市街の瓦屋根の氾濫が眼を襲って来る。それは砂町一丁目と上大島町の瓦斯タンクを堡
塁のように清砂通りに沿う一線と八幡通りに沿う一線に主力を集め、おのおの三方へ不規....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
志とかいうもの以上に、一族に流れている無形な逞しいものが、かの女を一族の最後の堡
塁として、支えているとしか思えなかった。それは既に本能化したものである。盲目の偉....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
続く、三回目の惨劇を予告しているのではないか。そうなると、熊城の作り上げた人間の
塁壁が、第一どうなってしまうのであろう。ほとんど犯罪の続行を不可能に思わせるほど....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
所の地方をあらし廻るので、張は各村の住民に命じて、一種の自警団を組織し、各所に堡
塁を築いてみずから守らせた。 ある夜のことである。山の上に火が起って、烟りや火....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
って昼の様であった。それに照らされては、隠れる陰がない。おまけに、そこから敵の砲
塁までは小川もなく、樹木もなく、あった畑の黍は、敵が旅順要塞に退却の際、みな刈り....
「東京要塞」より 著者:海野十三
ます。いま九機から成る日本の重爆が現れて上空を旋回しています。どうやらこの攻城堡
塁が気づかれたようですぞ」 「なに、重爆が旋回飛行をやっているって? それは本当....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
射ち出したのである。 この逆戦法に、敵はまんまと、思う壺に入ってしまった。砲|
塁や他の艦が、それと気づいた頃にはおそく、本艇は、白みゆく薄闇を衝いて、唸りなが....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
入ったようにいったので、ほかの人々もこの時始めて外を見た。 実に見渡す限り磊々
塁々たる石塊の山野のみで、聞ゆるものは鳥の鳴く音すらなく満目ただ荒涼、宛然話しに....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
のは鶏ではない。 それに、真上にもあるような、やや、大小を交えて、たとえば、古
塁の砲台のあととも思われる、峰を切崩して、四角に台を残した、おなじ丘が幾つも、幾....
「二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
にもショオにもストリンドベルヒにも如何なるものにも少しも影響されないで益々自家の
塁を固うするはやはり同じ性質の思想が累をなすのである。最も近代人的態度を持する島....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
満足を感ぜざるを得なかった。 加之ならず、初めは覇心欝勃として直ちに西欧大家の
塁を衝こうとする意気込であったが、いよいよ着手するとなると第一に遭逢したのは文章....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
と、東は漸く明るくなったが、北の山々は夜の衣をまだ脱がぬと見えて、頽れかかった砲
塁のような黒雲が堆く拡がっていた。 一昨夜はトムを殺された、昨夜は父を奪われた....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
なら激戦が戦われてもいいし、ときどきは攻撃軍に占領されてもかまわない地域や櫓や堡
塁もあるわけだ。諸王からの求婚はますます勢いを加え、処女王は、ひそやかな思いのう....