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「塒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

塒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
たと言いたい。悪戯を詫びた私たちの心を汲んだ親雀の気の優しさよ。……その親たちのは何処?……この嬰児ちゃんは寂しそうだ。 土手の松へは夜鷹が来る。築土の森で....
婦系図」より 著者:泉鏡花
う、大変。」 衝と入る。袂に縋って、牲の鳥の乱れ姿や、羽掻を傷めた袖を悩んで、のような戸を潜ると、跣足で下りて、小使、カタリと後を鎖し、 「病人が冷くなった....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
海が映って空も明い。――水上の奥になるほど、樹の枝に、茅葺の屋根が掛って、蓑虫がしたような小家がちの、それも三つが二つ、やがて一つ、窓の明も射さず、水を離れた....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
たり。棟にも居たり。みな表町なる大通の富有の家に飼われしなりき。夕越くれば一斉にに帰る。やや人足繁く、戸外を往来うが皆あおぎて見つ。楓にはいろいろのもの結ばれ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
面した件の温泉の口の処で立停った。夏の夜はまだ明けやらず、森として、樹の枝に鳥がを蹈替える音もしない。 「跟いておいで、この中だ。」と低声でいった滝太郎の声も....
星女郎」より 著者:泉鏡花
えぬ。 なお前途の空を視め視め、かかる日の高い松の上に、蝉の声の喧しい中にも、してその鵲が居はせぬかと、仰いで幹をたたきなどして、右瞻左瞻ながら、うかうかと....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
ったりした浪にも誘われず、風にも乗らず、同一処を――その友は館の中に、ことこととを踏んで、くくと啼く。 人はこういう処に、こうしていても、胸の雲霧の霽れぬ事....
荘子」より 著者:岡本かの子
つの間にか暮れた。櫟社の大木は眠って行く空に怪奇な姿を黒々と刻み出した。この木をにしている鳥が何百羽とも知れずその周囲に騒いで居た。鳴声が遠い汐鳴りのように聴....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
うなことがあれば、自分はどんなに淋しい身の上になることであろうか、それは帰るべきを失った仔鳥よりも、いく段か不見目であろうと思われる。仔鳥にはどこかに友達があ....
山吹」より 著者:泉鏡花
あ。 人形使 へ、へ、もう今日は稼いだ後だよ。お旦那の前だが、これから先は山道をへ帰るばかりだでね――ふらりふらりとよ。 万屋 親仁の、そのふらりふらりは、聞....
三枚続」より 著者:泉鏡花
打附かったとばかし覚えています。ええ夢中でね、駆けつけたのは裏口にあるその軍鶏のなんですよ。 何を悟ったのか、ケケッケケッ、羽ばたきをしてる奴を引掴んで両手....
雪柳」より 著者:泉鏡花
ら、曝首じゃが、そらほどの罪……を、また犯いたぞ。」 その松の中へ、白鷺と梟がした夢は、ここではっきり覚めました。七宝の粧も螺鈿の衣桁もたちまち消えて、紗綾....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
一座の花形を、一人置いて行きっこはなかろうではないか。」 「そこは放し飼よ。外にがないんですもの、もとの巣へ戻ると思うから平気なもの。それとも直ぐ帰れなんのっ....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
てあるというだけで、障子もなければ襖もない。天井もない。のみならず、数十羽の鶏のは、この部屋の一部を占領して高く吊られてある。 五、六枚畳んで重ねられた蒲団....
雨の宿」より 著者:岩本素白
っかり京都へ来たような気になって、些かいぶせき宿ではあるが、ともかくここを当分のにしてと思い定めたことである。 京都の駅に着いた時、もう降り始めていた小雨が....