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塔
「塔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
とんど絶望に近い表情。
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カッフェの飾り窓。砂糖の
塔、生菓子《なまがし》、麦藁《むぎわら》のパイプを入れた曹達水《ソオダすい》のコ....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
た。辻には、石でまわりを積んだ一囲いの土饅頭《どまんじゅう》があって、その上に石
塔婆《せきとうば》が二本、並んで、午後の日にかっと、照りつけられている。その根元....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
色は世界のどこにも見られないであろう。しかも彼等の頭の上には、――ラマ教の寺院の
塔の上にはかすかに蒼ざめた太陽が一つ、ラッサを取り巻いた峯々の雪をぼんやりかがや....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
に町を歩いているが、夜は墨染の法衣《ころも》が翼になって、八阪寺《やさかでら》の
塔の空へ舞上るなどと云う噂もございましたが、元よりそれはとりとめもない、嘘だった....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
えたと思うと、老人の姿も夕闇の中へ、影が消えるように消えてしまった。と同時に寺の
塔からは、眉をひそめたオルガンティノの上へ、アヴェ・マリアの鐘が響き始めた。
....
「河童」より 著者:芥川竜之介
らずあらゆる建築様式を一つに組み上げた大建築です。僕はこの大寺院の前に立ち、高い
塔や円《まる》屋根をながめた時、なにか無気味にさえ感じました。実際それらは天に向....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》松江《まつえ》祥光院《しょうこういん》の墓所《はかしょ》には、四基《しき》の石
塔が建てられた。施主は緊《かた》く秘したと見えて、誰も知っているものはなかった。....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
がある。墓場は石ばかりの山の腹にそうて開いたので、灰色をした石の間に灰色をした石
塔が何本となく立っているのが、わびしい感じを起させる。草の青いのもない。立花さえ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
彼は顔を知らない父に、漠然とした親しみを感じていた。が、この憐《あわれ》な石
塔には、何の感情も起らないのだった。
母はそれから墓の前に、しばらく手を合せて....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
沢山あったが、皆康頼に伐《き》られてしもうた。伐って何にするかと思えば、千本の卒
塔婆《そとば》を拵《こしら》えた上、一々それに歌を書いては、海の中へ抛《ほう》り....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
た。
「点鬼簿」に加えた三人は皆この谷中《やなか》の墓地の隅に、――しかも同じ石
塔の下に彼等の骨を埋《うず》めている。僕はこの墓の下へ静かに僕の母の柩《ひつぎ》....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
霊じゃなかったんです。しかし幽霊が出るって言ったのは磯《いそ》っ臭い山のかげの卵
塔場《らんとうば》でしたし、おまけにそのまたながらみ取りの死骸《しがい》は蝦《え....
「運」より 著者:芥川竜之介
いませぬ。」
「ははあ、それから。」
「それから、とうとう八坂寺《やさかでら》の
塔の中へ、つれこまれて、その晩はそこですごしたそうでございます。――いや、その辺....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
とも出来る。 第三に、貴ぶべき示唆を受けることは出来ない。あたかも雲に聳ゆる高
塔を仰いで、その偉観に感激せずにはいられないとしても、さて、どういう足場を組んで....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
夕方のパイプをくゆらしながら、木でつくった小さな戦士が両手に剣をもって、納屋の尖
塔のいただきで、勇敢に風と戦っているさまを見ているのだった。そのあいだに、イカバ....