塗す[語句情報] » 塗す

「塗す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

塗すの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
いるんですって。それでね、手柄だったら奪い合いをするんだけれども、そんな嫌な事は塗すくり合って、どっちからも検視が下りないんですってさ。結局高輪の方で検視して葬....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
いた帯を締め直すや否や、右手を伸ばして、生温かい牛乳の瓶を握りつつ、左手でバタを塗すくった焼|麺麭を掴んでガツガツと喰いはじめた。それから野菜サラダをフォークに....
階級闘争の彼方へ」より 著者:与謝野晶子
寄せることになります。また資本家も官憲も姑息な圧制手段や温情的方法を以て一時を糊塗することが出来なくなりました。殊に唯今の政府は農民党たる政友会の政府であり、労....
異邦人の意欲」より 著者:豊島与志雄
活に対する掖導的作用に至っては、殆ど零に近い。斯くて大衆文学は、民衆に、一時を糊塗する自慰自藉の糧を供給するだけであり、その感情的自涜行為を行わせるだけであり、....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
となっても、我々に押しつけられるものは彼らの無智蒙昧な誤算だけで、しかもそれを糊塗するに、言論や批判の自由を断圧して、身勝手な割当てを強要するだけのことであろう....
魔都」より 著者:久生十蘭
は忌々しそうな面持で、 「そんな風に事情が切迫しているなら、そうでもして一時を糊塗するより仕様がなかろう」 といって欧亜局長に、 「柳原君、君は警保局長と一緒....