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塗師
「塗師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塗師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
やと思うて」嚥《の》んでみないかと言われた。それをすすめた人間は大和《やまと》で
塗師《ぬしや》をしている男でその縄をどうして手に入れたかという話を吉田にして聞か....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
いていうのはほとんど贅言と思われる。絵画の一大派はその源を、茶人であり同時にまた
塗師、陶器師として有名な本阿弥光悦に発している。彼の作品に比すれば、その孫の光甫....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
椅子、曲※、須弥壇、台坐等をやる。なかなか大変なものである。 それから、仏師|
塗師、仏師|錺師等いずれも分業者である。江戸ではその分業が一々|際立って、店の仕....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
なかに分っていたものです。 たとえば、或る仏師の弟子の製作があるとして、それが
塗師屋の手に渡る。
塗師屋の主人は、それを手に取って、「オヤこれは旨いもんだ。素晴....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
侍の蒼白い横顔には、思わず、ギョッと……! 街《まち》の所作事《しょさごと》 一
塗師町《ぬしちょう》代地《だいち》の前は、松平《まつだいら》越中守様《えっちゅう....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
れはそのおじさん、辻町糸七――の従姉で、一昨年世を去ったお京の娘で、土地に老鋪の
塗師屋なにがしの妻女である。 撫でつけの水々しく利いた、おとなしい、静な円髷で....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
跡は……と父とともに心配をしながら行って見ると、師匠の家はない。焼け跡に、神田の
塗師重の兄弟と、ほかに三人ばかり手伝いがボオンヤリと立っている。 互いに顔を見....
「地上」より 著者:島田清次郎
った。母は七つの時、父は今年の夏死んでしまったと言った。家は能登の輪島の昔からの
塗師であるのだが、父の死後一人の兄がなまじっかな才気に累わされて、輪島塗を会社組....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
して、私は相更らず修業中……その十五日の前の晩(十四日の夜中)に森下にいる下職の
塗師屋が戸を叩いてやって来ました。私が起きて、潜りを開けると、下職の男は這入って....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ませんで、政吉はまず差し当りの儲けを見て行くという意見で、たとえば私が下職の方の
塗師の上手の方へやろうというのでも、政吉は安手の方の
塗師重で済まして、手間を省こ....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
煩って世を去った。――残ったのは七十に近い祖母と、十ウばかりの弟ばかり。 父は
塗師職であった。 黄金無垢の金具、高蒔絵の、貴重な仏壇の修復をするのに、家に預....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
者、次には檜を材に曲物を作る者の三つであります。これらは素地でありますが、これに
塗師と蒔絵師と沈金師とが加わって様々な漆器が出来上ります。輪島のものは塗が手堅い....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
だがその町中で、しきりと今を楽しんでいるような繁昌を示しているのは鎧師とか、
塗師とか、染屋とか、鍛冶とか、馬具屋とかいう類の軍需品をうけ負っている工商の家々....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
・唐紙師・箔打・鏡|磨・玉|磨・硯士・鞍細工・葛籠作・箙細工・枕売・仏師・経師・
塗師の助手・硫黄・箒売・一服一銭・煎じ物売など、下り者と云われた諸職人・諸行商人....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
) 胸を指して、いうのである。 しかし、いつとはなく、この風変りな僧は、もと
塗師屋職人で半さんといい、道楽という道楽はし尽したあげく、吉原の花魁と心中し損ね....