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塗炭の苦しみ
「塗炭の苦しみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塗炭の苦しみの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
ぬと思ったからである。 「それは知れたことじゃ。向うへ口を開けるために、了海様は
塗炭の苦しみをなさっているのじゃ」と、石工が答えた。 実之助は、多年の怨敵が、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
本陣へ申し出よ。このたび進発の勅命をこうむったのは、一方に諸国の情実を問い、万民
塗炭の苦しみを救わせられたき叡旨であるぞ、と触れ出されたのもこの際である。 こ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
どまらなかった。このたび進発の勅命をこうむったのは、一方に諸国の情実を問い、万民
塗炭の苦しみを救わせられたき叡旨であるぞと触れ出されたのもあの時であった。徳川支....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
して感じるこの絶対的必要感、即ちその「赤化防止」感は云うまでもなく、北支の人民を
塗炭の苦しみに陥れるものなどではない。否寧ろ、北支はこの日満側からする要求によっ....
「天草の春」より 著者:長谷健
減石の正道なることを誠意歎願したが、又もや不許可となつた。この上は一死もつて郡民
塗炭の苦しみに代る外ないと、同年十月十五日赤心を披瀝した上向文を遺して、駿河台の....
「三国志」より 著者:吉川英治
の賊、これにありしか」と、馳け迫って、 「漢の天下、内官の弊悪にみだれ、万民みな
塗炭の苦しみをうく。しかるに、汝は涼州の一|刺史、国家に一寸の功もなく、ただ乱隙....
「三国志」より 著者:吉川英治
とても、智仁兼備の人間ではないが、ご辺に仕える気があるなら、力を協せて、共に民の
塗炭の苦しみを救おうではないか」 公孫※のことばに、趙子龍は、 「ともかく、止....
「三国志」より 著者:吉川英治
は凡俗です。高士のごとく、冷観はできません。ひとしく生き、ひとしく人たる万民が、
塗炭の苦しみにあえぐを見ては。また、果てなき流血の宿命をよそには」 「英雄の悩み....
「三国志」より 著者:吉川英治
だれ、人民の苦しみ、誰か、それを正すを、仁義なしといいましょう。むしろ、そういう
塗炭の苦しみを除いて、民土に福利と希望を与えてやるこそ、将軍のご使命ではありませ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
みな一天の君の赤子。諸民の悪行は、君の御不徳に帰しましょう。まして、乱となれば、
塗炭の苦しみは、良民に降りかかります。――世に乱なかれと、民のために祈られてこそ....