»
塘
「塘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
そこへ下《くだ》って行く。所がちょうど去年の秋、やはり松江へ下った帰りに、舟が渭
塘《いとう》のほとりまで来ると、柳や槐《えんじゅ》に囲まれながら、酒旗《しゅき》....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
う一つの小窓でもあいていたら、そこからは、風致上よろしくはないかも知れないが、銭
塘江の賑やかな河面が、近眼の彼にも、薄ぼんやり見えたことであろう。 (何故、自分....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
判った。男もやがて捕われたが、その申し立ては娘と同様であった。 ※の県官|呉林
塘という人がそれを裁判したが、棺をあばいた罪に照らそうとすれば、その人は死んでい....
「骨董」より 著者:幸田露伴
欺くべきものがあった。廷珸は杭州に逃げたところ、当時|※王は奔り、承奉は廃鼎を銭
塘江に沈めてしまったという。 これでこの一条の談は終りであるが、骨董というもの....
「荷花公主」より 著者:田中貢太郎
南昌に彭徳孚という秀才があった。色の白い面長な顔をした男であったが、ある時、銭
塘にいる友人を訪ねて行って、昭慶寺という寺へ下宿していた。 その彭は、ある日|....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
り殺した。妻は県の役所へ引き渡されて、法のごとくに行なわれた。 鷺娘 銭
塘の杜という人が船に乗って行った。時は雪の降りしきる夕暮れである。白い着物をきた....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
話し申します。 この作者は清の袁枚で、字を子才といい、号を簡斎といいまして、銭
塘の人、乾隆年間の進士で、各地方の知県をつとめて評判のよかった人でありますが、年....
「惜別」より 著者:太宰治
。僕には、わが国の文人墨客たちの騒ぐ名所が、一つとしていいと思われないのです。銭
塘の大潮は、さすがに少し興奮しますが、あとは、だめです。僕は、あの人たちを信用し....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
ないことこの上なし、世は已に醒めたりとすましていられる人は兎も角、こちとらには池
塘春草の夢、梧の葉の秋風にちるを聞くまでは寧ろ醒めずにいつまでもいつまでも酔って....
「汪士秀」より 著者:田中貢太郎
石舂を持ちあげることができた。親子で蹴鞠がうまかったが、父親は四十あまりの時|銭
塘江を渡っていて、舟が沈んで溺れてしまった。 それから八、九年してのことであっ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ざる歴史を作って人名字書中の最大の名よりもヨリ以上に何人にも知られておる。橋本蓉
塘翁がかつてこの人物を咏題として作った七律二十四篇は、あたかも『八犬伝』の人物解....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
。雨の日などはことに蕭々とけぶる煙雨になんとも言えぬ明媚な美しさがあった。 銭
塘江は、向う側が雨にくもってちょうど南画の墨絵の山水をおもわせ、模糊として麗わし....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
を踊っているようだと罵倒したので、右団次|贔屓の反感を買ったらしく、評者の伊東橋
塘氏が暴漢に襲われて負傷したという記事もみえた。白痴が秋刀魚を持って――などは、....
「西航日録」より 著者:井上円了
、緑葉森々の間に小艇を浮かべ、半日の清遊を試む。途上即吟一首あり。 雨過春風入野
塘、烟濃水暖百花香、寒喧来往何其急、昨日冬衣今夏装。 (雨一過して春風のなか野の....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
うせと物屋があるが、私も以前陶雅堂と号していたが、この店の名と同じと聞いて、今は
塘芽堂又は冬瓜堂と改めた。金田眼鏡店も古く、つやぶきんの佐々木はいう迄もなく古い....