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塩
「塩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
《つか》を握りしめて、老人の頸《うなじ》のあたりをじっと見た。わずかに残った胡麻
塩《ごましお》の毛が、後頭部を半ばおおった下に、二筋の腱《けん》が、赤い鳥肌《と....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
に手拭をかぶって、口で笛と太鼓の調子を一つにとりながら、腰を据えて、肩を揺って、
塩吹面舞《ひょっとこまい》と言うのをやりたがる。そうして、一度踊り出したら、いつ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
した。第三に――最も意外だったのはこの事件である。第三に下宿は晩飯の膳《ぜん》に
塩焼の鮎《あゆ》を一尾《いっぴき》つけた!
初夏の夕明《ゆうあか》りは軒先に垂....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
折目をつけては、行儀よく積み上げている。向こうのすみでは、原君や小野君が机の上に
塩せんべいの袋をひろげてせっせと数を勘定している。
依田君もそのかたわらで、大....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
かつ》たる先生の禿げ頭で、これまた後頭部のあたりに、種々《しょうしょう》たる胡麻
塩《ごましお》の髪の毛が、わずかに残喘《ざんぜん》を保っていたが、大部分は博物《....
「貉」より 著者:芥川竜之介
るつもりで、高らかに唄を歌った。沸き返る浪の音に消されるなと、いらだたしい思いを
塩からい喉《のど》にあつめて、一生懸命に歌ったのである。
それを聞いた母親は、....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
《くだ》の薬を飲んだ。それが刹那の間ながら、慎太郎の心を明くした。
「好《い》い
塩梅《あんばい》ですね。」
「今度はおさまったようでございます。」
看護婦と慎....
「或る女」より 著者:有島武郎
ごれていた。白痴の子が赤ん坊同様なので、東の縁に干してある襁褓《むつき》から立つ
塩臭いにおいや、畳の上に踏みにじられたままこびりついている飯粒などが、すぐ葉子の....
「或る女」より 著者:有島武郎
立てて目をこすった。
「九時だな今打ったのは」
と陸で聞くとおかしいほど大きな
塩がれ声でいった。どれほど熟睡していても、時間には鋭敏な船員らしい倉地の様子がな....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
》にあるのかを知らなかった。
「それじゃ帳場さん何分|宜《よろ》しゅう頼むがに、
塩梅《あんばい》よう親方の方にもいうてな。広岡さん、それじゃ行くべえかの。何とま....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
き返って来る。 「出すべ」 そのさざめきの間に、潮で※び切った老船頭の幅の広い
塩辛声が高くこう響く。 漁夫たちは力強い鈍さをもって、互いに今まで立ち尽くして....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
家族に供する日常の食膳と、衣服とは女性が作り出すことが出来よう。然しながら饗応の
塩梅と、晴れの場の衣裳とは、遂に男性の手によってのみ巧みに作られ得る。それは女性....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
その時分の私は、消えかかった青松葉の火が、プスプスと白い煙を立て燻っているような
塩梅だったのでございます。 私が重い枕に就いて、起居も不自由になったと聞いた時....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
はオレンヂの木がしげっていました。 マルコは船の中で一日に二度ずつ少しのパンと
塩かけの肉を食べました。船頭たちはマルコのかなしそうな様子を見て言葉もかけません....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
行ったので、時は一八一二年二月二十九日、三月十四日、四月八日および十日で、題目は
塩素、可燃性および金属、というのであった。これも叮嚀に筆記を取って。 そうこう....