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塩分
「塩分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塩分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
なって皮膚面に滲《にじ》み出た。暁方の少し冷えを感ずるころ、手を肌にあててみると
塩分でざらざらしていた。――冬じゅうカサカサにひからび、凍傷のために紫いろに腫《....
「新生」より 著者:島崎藤村
ら望み、山気に包まれた高原や深い谿谷《けいこく》に接するという楽みがあった。あの
塩分の強い濁った礦泉《こうせん》の中に浸りながら、碓氷川《うすいがわ》の流れる音....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
しまった。 まったく、力のあまりというのが、その時のことだろう。ながい、絶食と
塩分の枯痩とで、そのゴリラは骨と皮になっていた。それにしても、この私とてもおなじ....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
いえば、親の流す涙も、恋人の流す涙も涙に変わりはないでしょう。分析すれば、水分と
塩分とに還元せられるでしょう。しかし、涙には、甘い涙も、ありがたい涙もあるのです....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
に見られた三和土製《たたきせい》円筒形の小便壺《しょうべんつぼ》の内側の壁に尿の
塩分が晶出して針状に密生しているのが見られたが、あれを見るときもやはり同様に軽い....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
緯度の範囲にわたっているためもあるが、さらにまたいろいろな方向からいろいろな温度
塩分ガス成分を運搬して沿岸を環流しながら相錯雑する暖流寒流の賜物である。これらの....
「火薬船」より 著者:海野十三
うか。それで……」 「第一に、そこは太陽の照っていない場所です。第二に、そこは、
塩分がある場所なんです。どうです、お分りになりますか」 アンドレ大佐は、首を横....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
し、溶鉱炉の中のよう。きらきら光る塩の、晦むような眩ゆさのなか。 その、土中の
塩分がしだいに殖えてゆくのが、地獄の焦土のようなまっ赭な色から、しだいに死体のよ....
「断片(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
を説明する阿含経の文句が挙げてある。ところがその説明が現在の科学の与えている海水
塩分起原説とある度までよく一致しているから面白い。 また河水が流れ込んでも海が....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
海水なぞ、呑めやしないじゃありませんか」 「心配することはない。わしが、海水から
塩分を取りのぞいて、旨い飲料水をつくってやる……それよりかどうだ、小僧。冷凍室の....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
にかわかしては、また海水をかける。これを、いくどもくりかえして、しまいに海綿が、
塩分のたいへんにこい汁をふくむようになったとき、その海綿からしぼり出した汁を煮つ....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
九 心臓の鼓動 犢から取った血清を水に浸しておくとその中の
塩分がだんだんに脱けて来る。遂に〇・六プロセントくらいになったのを蛙あるいは亀の....
「荒磯の興味」より 著者:佐藤惣之助
岩に眠る、川では風邪を引くが、海では絶対といっていいほど、風邪を引かない。そして
塩分の強い空気にぬれて、肺を新らしくし、縦横無尽に活躍してくると、いかなる人でも....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
の暴風で出来たものだ。ところどころに沼がある。しかしその水は飲めなかった。多量に
塩分を含んでいる。立ち枯れの林が一、二ヵ所白骨のように立っていて野生の羊がその周....
「日本料理の基礎観念」より 著者:北大路魯山人
なければ、ほんとうによい料理はできません。色はつきませんし、しかも、値段は安く、
塩分が多いからよくのびて、経済からいっても大いに安いし、まったく料理には薄口がな....