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塩酸
「塩酸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塩酸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
ったが、まだ机の前に立って何か生徒に説明していた。机の上には大理石の屑《くず》、
塩酸の壜《びん》、コップなどが置いてあった。蝋燭《ろうそく》の火も燃えていた。学....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
は何故か? 王水という強酸があることを、人々は知っているであろう。それは硝酸と
塩酸とを混ぜた混合酸であるが、この酸に黄金を漬けると始めて黄金は形が崩れ、やがて....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
した。そこらへ痰を吐きちらした。 三人は事務室へ這入った。そこも燐や、硫黄や、
塩酸加里などの影響を受けて、すべてが色褪せ、机の板は、もく目ともく目の間が腐蝕し....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
出した。私は最も近くに席を占めて居たので、途切れ途切れにその話を聞いた。 「え!
塩酸加里の中毒、はてな」松本が云うのが聞えた。 話の様子では机の上にあった菓子....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
であったが、まだ机の前に立って何か生徒等に説明していた。机の上には、大理石の屑、
塩酸の壜、コップ、玻璃管などが置いてあった。蝋燭の火も燃えていた。学士は、手にし....
「贋紙幣事件」より 著者:甲賀三郎
ら、何が何だか分りゃしないもの。 「之はお寺の縁の下にあったのです。これは劇薬の
塩酸の瓶です。これは――」 森君が云いかけると、坊さんは今まで真赤にしていた顔....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けません、沿岸には地主と農民の葛藤《かっとう》があり、湖中にはカムルチがいたり、
塩酸が流れたり……この湖水を掘り割って北陸と瀬戸内海を結びつけたら、舟運の便によ....
「追憶の冬夜」より 著者:寺田寅彦
け木」の略称である。高等小学校の理科の時間にTK先生という先生が坩堝の底に入れた
塩酸カリの粉に赤燐をちょっぴり振りかけたのを鞭の先でちょっとつつくとぱっと発火す....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
に熱したときに起る対流渦動の実験にはいつもこれを使っていたが、後には線香の煙や、
塩酸とアンモニアの蒸気を化合させて作る塩化アンモニアの煙や、また近頃は塩化チタン....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
申候。 ファラデー」 かく、自己の圧力を使うて液体にする方法は、その後デビーが
塩酸に用いて成功した。 しかし、これは随分危険な実験で、ファラデーも怪我をした....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
《たてがみ》氏を呼んだと聞くとその夜、兄は夜半《よなか》にそっと起きあがって、稀
塩酸《きえんさん》でじぶんの眼をつぶそうとしているのです。必死なようすでしたわ。....
「秘密」より 著者:平林初之輔
どうしても生きていることが不可能だ。 私は持病の胃|痙攣《けいれん》のために、
塩酸モルヒネを常用していた。私はこれを書き出す前に注意して極量を少しく超過するだ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
|橙皮油《とうひゆ》なら半滴を落して冷しておいてもようございます。よく世間では稀
塩酸でレモナードを作る人がありますがあれは毒だからお止《よ》しなさい。枸櫞酸ので....
「雨夜続志」より 著者:田中貢太郎
ってたからね」 乱暴なつむじ曲りの伊沢の口許に無邪気な笑が溢れた。 「金硫黄と
塩酸加里を交ぜ合した物を持って、三田辺をうろついたこともあったね」 「金硫黄と云....
「世間師」より 著者:小栗風葉
ながら、為事の方に向いてしまう。 すると、ある日の事だった。ハンダの下地に塗る
塩酸がなくなったから、町の薬屋へそれを買いに行った万年屋は、ものの三十分ばかりも....