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「塩釜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

塩釜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
水銀白を柔らかに布《し》いた薄葉を微風にうら反《が》えしている、たまに白砂の中に塩釜菊が赤紫色に咲いているのが、鮮やかに眼に映る外は、青い空と、緑の木と、碧の水....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
だの一銭となりければ、そを神にたてまつりて、 からからとからき浮世《うきよ》の塩釜《しおがま》で せんじつめたりふところの中 はらの町にて、 宮城....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ると、この頃の春の日はもう暮れかかっていた。帰るときに会葬者は式《かた》の通りの塩釜をめいめいに貰ったが、持って帰るのも邪魔になるので、半七はその菓子を山城屋の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
旅絵師も自分のゆく先を話した。かの芭蕉の「奥の細道」をたどって高館の旧跡や松島塩釜の名所を見物しながら奥州諸国を遍歴したい宿願で、三日前のゆうぐれに江戸を発足....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
造が十九の時で、四月の二十日に奥州へ行くと云って暇乞にまいりました人に、旦那様が塩釜様のお符をお頼みなさったので、私は初めて御新造様が懐妊におなりなさったのを知....
惜別」より 著者:太宰治
島遊覧を志した。 お昼すこし過ぎに仙台を発足して、四里ほどの道をぶらぶら歩いて塩釜に着いた頃には、日も既に西に傾き、秋風が急につめたく身にしみて、へんに心細く....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
ている、近づくほど、雪の幅が成長して大きくなる、雪の側はいわゆる御花畑で、四ツ葉塩釜、白山一華、小岩鏡などが多い。 この大残雪を踏んで、南農鳥の傾斜を登ること....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
にほてる、それでも「押し出し」が尽きて、右の方の草原へ切れ込むと、車百合や、四葉塩釜や、岩枯梗や、ムカゴトラノオなどの高山植物が、ちらほら咲きはじめて、草むらの....
」より 著者:寺田寅彦
明治三十七年の夏休みに陸中|釜石附近の港湾の潮汐を調べに行ったときの話である。塩釜から小さな汽船に乗って美しい女学生の一行と乗合せたが、土用波にひどく揺られて....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
信をもって売り出すことが出来たのです。黒光餅、黒光かきもち、かりんとう、駄菓子、塩釜など、いずれも思いついてから数年を費して研究したもので、最近では蜜豆、しる粉....
一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
だろう?) という、そういうことであった。 しかしもし彼が雲水となって、奥州塩釜の里へ行き、なにがしという尼寺を訪ね、法均という尼の口から、身の上話を聞いた....
取舵」より 著者:泉鏡花
、女房達が大勢で働いて、乗合に一箇ずつ折をくれたと思い給え。見ると赤飯だ。」 「塩釜よりはいい。」とその友は容喙せり。 「謹聴の約束じゃないか。まあ聴き給えよ。....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
女は遠い山の温泉場へも行ったし、名所旧跡も訪れた。松島見物に出かけた村の人々が、塩釜の町で、ひょっこり彼女を見つけて挨拶したら、彼女はどこの誰だっけ?……といっ....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
なかった。二人は協議の上また退学という事に決した。 名残として松島を見物した。塩釜神社の長い石段も松島の静かな眺めも何となく淋しかった。松島から帰った日、今の....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
す。千島竜胆は紫也。雪間草は白也。小桜草は紅也。兎菊は黄也。梅鉢草、岩桔梗、四葉塩釜など一面に生いて、足を入るるに忍びざる心地す。石原の処には、駒草孤生す。清麗....