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塵塚
「塵塚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塵塚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
宗全と云う。性、剛腹|頑陋、面長く顔赤き故を以て、世人これを赤入道と呼んだ。 『
塵塚物語』と云う古い本に、応仁の乱の頃、山名宗全が或る大臣家に参伺し、乱世の民の....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
* 向日葵の苗を、試みにいろんな所に植えてみた。日当たりのいい
塵塚のそばに植えたのは、六尺以上に伸びて、みごとな盆大の花をたくさんに着けた。 ....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
のである。 科学者のに限らず、一般に随筆と称するものは従来文学の世界の片すみの
塵塚のかたわらにかすかな存在を認められていたようである。現在でも月刊雑誌の編集部....
「田園雑感」より 著者:寺田寅彦
に説明のできる事ばかりが、文明の陳列棚の上に美々しく並べられた。そうでないものは
塵塚に捨てられ、存在をさえ否定された。それと共に無意味の中に潜んだ重大な意味の可....
「時事雑感」より 著者:寺田寅彦
るのは赤子の手をねじ上げるよりも容易である。そうしてみがけば輝くべき天下の美玉が
塵塚に埋められるのである。これも人間的自然現象の一つでどうにもならないかもしれな....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
までが、一からげにして掃き捨てられたという恐れはないものだろうか。そのようにして
塵塚に埋れた真珠はないだろうか。 根拠の無い事を肯定するのが迷信ならば、否定す....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
となるは伯母上なりき。 楽屋なる居室の小窓と、垣|一重隔てたる、広岡の庭の隅、
塵塚の傍に横わりて、丈三尺余、周囲およそ二尺は有らむ、朽目赤く欠け欠けて、黒ずめ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
瀬戸物の欠がざくざくして、) 私は肚胸を突いたんだ。 (不可い! 貴女、そりゃ
塵塚だ。) と云う内にも、襤褸切や、爪の皮、ボオル箱の壊れたのはまだしもで、い....
「書記官」より 著者:川上眉山
あわれ今後の半生をかけて、一大哲理の研究に身を投じ尽さんものと、世故の煩を将って
塵塚のただ中へ投げ捨てたる人あり。その人は誰なるらん。荻の上風、桐は枝ばかりになりぬ。明日は誰が身の。....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
六 いかに、あの体では、蝶よりも蠅が集ろう……さし捨のおいらん草など
塵塚へ運ぶ途中に似た、いろいろな湯具|蹴出し。年増まじりにあくどく化粧った少い女....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
、額のぬけ上った、そして円顔で、眉の濃い、目の柔和な男が、道の向うさがりに大きな
塵塚に対しつつ、口をへの字|形に結んで泰然として、胡坐で細工盤に向っていた。「少....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
が拍子抜け、犬も何にも居ないのであった。 首を出して※わすと、がさともせぬ裏の
塵塚、そこへ潜って遁げたのでもない。彼方は黒塀がひしひしと、遥に一|並、一ツ折れ....
「迷信解」より 著者:井上円了
を忌み、かつ恐るるようになり、建築、移転のみならず、その方角に向かって便所を設け
塵塚を置くことまで固く禁ぜられておる。陰陽家の弁解するところにては、この方角は陰....
「巷の声」より 著者:永井荷風
俗を記載せざるものは稀であるが、その中に就いて、曳尾庵がわが衣の如き、小川顕道が
塵塚談の如きは、今猶好事家必読の書目中に数えられている。是亦わたくしの贅するに及ばぬことであろう。 昭和二年十一月記....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
ちて来た。中に火気が籠っていて、落ちた石が触れる縁板はぷすぷす煙を立てた。枯葉の
塵塚に落ちたものからは火の手を挙げた。寺の男共は盥を冠って水桶を提げて消して廻っ....