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塵界
「塵界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塵界の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
な世間的の人情を鼓舞《こぶ》するようなものではない。俗念を放棄して、しばらくでも
塵界《じんかい》を離れた心持ちになれる詩である。いくら傑作でも人情を離れた芝居は....
「野分」より 著者:夏目漱石
ん》として、あらゆる苦痛のもとに維持せねばならぬ。彼らがこの矛盾を冒《おか》して
塵界《じんかい》に流転《るてん》するとき死なんとして死ぬ能《あた》わず、しかも日....
「連環記」より 著者:幸田露伴
執って仏|菩薩の引接を承けた善男善女の往迹を物しずかに記した保胤の旦暮は、如何に
塵界を超脱した清浄三昧のものであったろうか。此往生極楽記は其序に見える通り、唐の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
独におなりになった宮様にだれがお力になるとお思いになるのだろう。法皇様はいっさい
塵界と交渉を絶っておいでになる御生活ぶりですから、御相談事などは申し上げられない....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
り」で、日々やっていることのうちに理想が含まれてある。またこれを養うに遠方にゆき
塵界《じんかい》を去らねばならぬものでない。われわれは山へ引《ひ》っ込《こ》むも....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
な真似は覚束ない、平生名利の巷に咆哮している時は、かかる念慮は起らない、が一朝|
塵界を脱して一万尺以上もある天上に来ると、吾人の精神状態は従って変ると見える。こ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
たるにあらず。
汝が耳目|壅れり。汝が心胸死せり。
起て、学徒。誓ひて退転せず、
塵界の胸を暁天の光に浴せしめよ。」
(符を観る。)
一々の物が全体に気息を通....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
孔は氷ってくる。歴史への感傷など、ふだんは、現実感に来ないが、峯高く、松さやぐ、
塵界遠いここに立てば、やはり遊子の情みたいなものを、禁じえない。 「時」のふしぎ....