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塵箱
「塵箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塵箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「淫売婦」より 著者:葉山嘉樹
持ち込んだものだか、門内のどこからか持って来たものだか分らなかった。塵の下には、
塵箱が壊れたまま、へしゃげて置かれてあった。が上の方は裸の埃《ほこり》であった。....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
のをグングン向うへ引張っていった。彼は手真似で、隊長に話をした。 「そこの横丁の
塵箱の中から赤ン坊の泣声がするが、助ける必要はないか?」 指すところに、真黒な....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
約一里の間は、両側にずらり並んで、農家日用の新しい品々は素より、東京中の煤掃きの
塵箱を此処へ打ち明けた様なあらゆる襤褸やガラクタをずらりと並べて、売る者も売る、....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
、決して啼かないから妙だ。 「ミイやミイや」 なんて抱主が探しに来てもジイッと
塵箱の蔭なんかに隠れてしまうからナカナカ見付からない。頃合いを見計らって、そいつ....
「小公女」より 著者:菊池寛
って、そのつもりでこさえていたのよ。それから、その名刺はねえ、お嬢様。それ、私|
塵箱から拾って来たんだけど、いけなかったかしら? アメリアさんが棄てた名刺なの。....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
下を焚きつけてる間に、彼は押入から硝子の金魚入を取出して、それを裏口に持ち出し、
塵箱の中へ力一杯に投げ入れて砕いた。 爽かな清い朝だった。彼は何物かに祈らずに....
「椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
ら、李が笑い出したのにつれて他の人々も笑いだし、煉瓦を片附け、壊れた人形を拾って
塵箱に捨てた。 それだけならただ笑い話だが、その日の午後、正枝の室から人形が紛....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
勘定が真実の金勘定でない、賭博に相違ないという事は何処で見分けたか」 「やっぱり
塵箱が物を申しますので……」 「ふうむ。掃溜が物を言う……」 「ヘイ。何処のお邸....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
空中工場の欄干によって下界を見ていた。 「どうですか、この汚ない大阪は! まるで
塵箱を引繰返したようじゃありませんか! 」 鼻垂先生はそれに答えて言うた。 「....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
流し下をきれいにしておけば、そこを流れるごみもきれいに見えるようなものでしてね。
塵箱などもやかましく言って、ごみを捨てる所だという考えを持たず、食器などと同様の....