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塹壕
「塹壕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
塹壕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
きなかった。 戦争の荒し壊す力よりも、もっと大きい力が、砲弾に砕《くだ》かれた
塹壕《ざんごう》の、ベトンとベトンの割れ目から緑の芳草《ほうそう》となって萌え始....
「新生」より 著者:島崎藤村
た。リモオジュの旅以来、彼の周囲には何が有ったろう。仏蘭西国境の山地寄りの方では
塹壕《ざんごう》が深く積雪のために埋められたとか、戦線に立つものの霜焼《しもやけ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た。 戦争前には畑になっていたらしいが、今では茫々たる野原である。原には大きい
塹壕のあとが幾重にも残っていて、ところどころには鉄条網も絡み合ったままで光ってい....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
次ぎ攻めたてた。しかし一塁を抜いたと思うとすぐ奪還される始末なので、こちらにも、
塹壕、胸壁が必要であるとて、工兵が弾雨の間を作業した。薩軍の塁に近いのは僅かに二....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
は、あらゆるものを犠牲にしてかえりみないのだ!」 三人は、芝生の土手を越して、
塹壕のある草ッ原に出た。大きなアカシヤのかげには火葬場が作られていた。 「俺れら....
「前哨」より 著者:黒島伝治
山軍曹は、もう、命じられた地点に来たと了解した。ところどころに、黒龍江軍の造った
塹壕のあとがあった。そこにもみな、土が凍っていた。彼等は、棄てられた一軒の小屋に....
「チチハルまで」より 著者:黒島伝治
んか?」 「それゃ、全然作りことだ。」 「そうかしら?」 大興駅附近の丘陵や、
塹壕には砲弾に見舞われた支那兵が、無数に野獣に喰い荒された肉塊のように散乱してい....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
ま高須聨隊長が倒れとった、その岩よりもそッとさきに進んだところで、敵の第一防禦の
塹壕内に死んどったんが、大石軍曹と同じ名の軍曹であったそうや。」 「随分手柄のあ....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
い音響をたててたてつづけに立ちのぼった。 「あっ、空襲だ!」 カモシカ中尉は、
塹壕の中へ吹きとばされながら、ようやく事態を悟った。 鎧を着ていなかったら、彼....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
た。 ここはその試験場であるが、見渡すばかりの原野《げんや》であった。方々に、
塹壕《ざんごう》が掘ってあったり、爆弾のため赤い地層のあらわれた穴が、ぽかぽかと....
「怪塔王」より 著者:海野十三
、それっきりです。ですから、兵曹長をはやくはやくとせきたてて、すぐ前を走っている
塹壕のような凹んだ道を、先にたってかけだしました。 「どこへいくのかね」 小浜....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
い貨物自動車の縦隊運動。後からあとからつづく満員電車。石炭の山。荷物の丘。塵埃の
塹壕。汗をかく起重機。耳を突く合図の呼子。骸骨のような貨物船。赤く錆びた鉄材の荒....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
のも彼らの興奮の種だった。彼らは、ついに、むりやりに数枚の床板をはずして、そこを
塹壕になぞらえ、校庭から沢山の小石を拾って来て、それを弾丸にした。小石が土壁にあ....
「ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
た。 戦争前には畑になっていたらしいが、今では茫々たる野原である。原には大きい
塹壕のあとが幾重にも残っていて、ところどころには鉄条網も絡み合ったままで光ってい....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、プロペラの音がします。私は寝ます。ゆうべ徹夜でした。 物事を成し遂げるには、
塹壕戦の覚悟が必要だと思います。自分の職場を守って、いつまでもいつまでも忍耐し、....