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「境外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

境外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
っ面《つら》を張った訳になる。昔《むか》し西洋で犯罪者を所刑にする時に、本人が国境外に逃亡して、捕《とら》えられん時は、偶像をつくって人間の代りに火《ひ》あぶり....
戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
は空弾だから、音がするだけで、なんともない。あとから屍《し》骸ということにして国境外へ運び出す手筈《てはず》になっている。」 一時慰めようという慈悲心からか、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ほかにあるのだ」と、役人は言った。 我来也の疑いを受けた賊は、叩きの刑を受けて境外へ追放された。獄卒は我が家へ帰ると、妻が言った。 「ゆうべ夜なかに門を叩く者....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の幸いであらねばならぬ。熱中の間にこそ、ともかく、一時的なりとはいえ、この暴君の境外進出が沮《はば》まれることになる。 それは、酒飲みに酒を与えて置くように、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るようになって、与八もその一隊の中へ加えられることになったのです。 といっても境外へ出る必要はなく、この広大な屋敷のうちを物色することによって、適当のものが見....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
廃したフランス共和政府はこの第四階級を取り扱っていた。ローマはもはや野蛮人らを国境外に掃蕩《そうとう》する力がなくて、彼らを自分のうちに合体させ、そして間もなく....
白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
そうですが、天気がいいせいか頗る繁昌しているので、混雑のなかを揉まれながら境内と境外を一巡して、電車通りの往来まで出て来ると、ここも露天で賑わっている。その人ご....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
の法務局に通牒が行っていた。先年、密入国者にたいする刑統が変り、入国したものは、境外へ出さず、生涯、国内に監置することになった。ヤクから山羊、山羊から騾馬と、つ....
国境」より 著者:黒島伝治
のだ。一足の絹の靴下に五ルーブルから、八ルーブルの金を取って帰って行く。そして国境外では、サヴエート同盟に物資が欠乏していると、でたらめを飛ばした。 一方では....
京都の朝市」より 著者:柳宗悦
物で埋まる。これと双壁をなすのが毎月二十五日の天神の朝市で、つまり北野天神の境内境外にぎっしり立つ大きな市である。 何もかも、けじめなく売る是等の朝市は、私共....
三国志」より 著者:吉川英治
騰は、彼の真意を聞き、また帝の密詔を拝するに及んで、男泣きに慟哭した。彼は、遠い境外の西蕃からも、西涼の猛将軍と恐れられていたが、涙もろく、そして義胆鉄のごとき....
三国志」より 著者:吉川英治
戦慄せざるを得ないにきまっている。加うるに呉は富強ではあるが実戦の体験が少ない。境外の兵備の進歩やその実力をはかり知っておらぬ。――で、ひとまずは、使者を派して....
三国志」より 著者:吉川英治
に、彼の弱点がそこにあることを自ら曝露しているものでしょう。いま味方の一軍を深く境外へ潜行させ、敵が虎の子にしているその輜重を奪うことに成功したら、それは今次の....
三国志」より 著者:吉川英治
、奏した。 「――いかにも」 玄徳もすぐ悟った。 年六旬をこえた身で、千里の境外に、七十余万の大軍をひきいて、今やその征途にあるのである。まだ戦いに入らぬう....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
であるべきことは、その名称からも推測せられるが、寺の所属としての彼らは、寺院境内境外の掃除を掌ったもので、『塵袋』にエタと称した浄人の徒であった。したがって彼ら....