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境界
「境界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
境界の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
いや、実際厳密な意味では、普通|正気《しょうき》で通っている人間と精神病患者との
境界線が、存外はっきりしていないのです。況《いわ》んやかの天才と称する連中《れん....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
んやく》の間に彼自身を語ってはいないであろうか? 所詮告白文学とその他の文学との
境界線は見かけほどはっきりはしていないのである。
人生
――石黒....
「或る女」より 著者:有島武郎
際《こんりんざい》理解が成り立ち得ないと思うと、彼女は特別に毛色の変わった自分の
境界《きょうがい》に、そっとうかがい寄ろうとする探偵《たんてい》をこの青年に見い....
「或る女」より 著者:有島武郎
。この奇怪な二つの矛盾が葉子の心の中には平気で両立しようとしていた。葉子は眼前の
境界でその二つの矛盾を割合に困難もなく使い分ける不思議な心の広さを持っていた。あ....
「二つの道」より 著者:有島武郎
してあるだろうか。
五
人は相対界に彷徨《ほうこう》する動物である。絶対の
境界は失われた楽園である。
人が一事を思うその瞬時にアンチセシスが起こる。
....
「星座」より 著者:有島武郎
ないことだったろう。一人の妹、清逸がことに愛している一人の妹の身を長い間不自由な
境界において我慢しているのは、清逸だからできるのだと清逸は考えていた。しかしどう....
「想片」より 著者:有島武郎
いうことができないのと同じことだ。
しかるに空想的理想主義者は、誤っていかなる
境界におかれても、人間の精神的欲求はそれ自身において満たされうると考える傾きがあ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
世に帰った人のように、君の心はまだ夢ごこちで、芸術の世界と現実の世界との淡々しい
境界線をたどっているのだ。そして君は歩きつづける。 いつのまにか君は町に帰って....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
る私の外には何物をも見ない。私は乗り越え乗り越え、自分の力に押され押されて未見の
境界へと険難を侵して進む。そして如何なる生命の威脅にもおびえまいとする。その時傷....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なっているのは疑いもなく、全然均等な渾沌の中にはいかなる物にもその周囲のものとの
境界がなく、従って何物も存在しないという観念であろう。 通例無秩序の状態を名づ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
識った。したがって、有智と無智、真理と虚説、高貴と卑賤とのあいだの犯すべからざる
境界線は消え失せて、ただ無形の思想が空間にただよっているばかりとなってしまった。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
|日として脊の君のお側を離れなかった弟橘姫の涙ぐましい犠牲の生活は、実にその時を
境界として始められたのでした。或る年の冬は雪沓を穿いて、吉備国から出雲国への、国....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
るとの事、そのほか在所の細事を委しく記されたり。予よりは隠すべきにあらねば当時の
境界を申し送り、人世を以て学校とすれば書冊の学校へ入らずも御心配あるなと、例の空....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
やカントはそれを考えたのであるが。ファラデーのやり方は、科学と宗教との間に判然と
境界を立てて別物にして。 ファラデーの態度をチンダルが鋭く批評したのに、「ファ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とつ不足のない、心の大まかな農夫の見ごとな標本だった。じっさい、彼は自分の農場の
境界よりそとのことには目をくれようともしなければ、考えて見ようともしなかった。が....