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墓守
「墓守〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
墓守の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
《ひがし》に似ていると評した。なぜですかと聞いたものがあった。範頼《のりより》の
墓守《はかもり》の作ったと云う菊を分けて貰って来たのはそれからよほど後《のち》の....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
ってお葬りになり、さきに、お父上たちに猟をおすすめ申しあげた、あの韓袋の子孫をお
墓守りにご任命になりました。 天皇はそれからご還御の後、さきの老婆をおめしのぼ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
年から月番を諭旨免職になった。儂自身の眼から見る儂は、無月給の別荘番、墓掃除せぬ
墓守、買って売る事をせぬ植木屋の亭主、位なもので、村の眼からは、儂は到底一個の遊....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
忘れて、知事様の奥方男爵夫人と人にいわるる栄耀も物かは、いっそこのつらさにかえて
墓守爺の嬶ともなりて世を楽に過ごして見たしという考えのむらむらとわきたることもあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
女ではないか。つまり、それ者上《しゃあが》り、そういったものが、晩年のいとなみを
墓守で暮らしているのじゃないかと、誰にも一応は想像されることです。 「お美しくな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
中に、まだ石鑿《いしのみ》のあとあざやかに並んでいる。近づいて見ると、その後ろに
墓守が二人、しきりに穴掘りをしている。傍らには布で巻いた二個の棺を据えて、しきり....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。時間が流れ去っていった。夕方になって、小径《こみち》の砂の上に人の足音がした。
墓守《はかもり》が通りかかって、そこにすわってるクリストフをながめた。クリストフ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
にかかろうとは、綱手の、手引きであろうか――今も、墓の前で、武士を捨てて、一生、
墓守になろうかとも存じて、情無くも、御覧の如く泣いて。お嗤《わら》い下されい。兄....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
衰えて、増上寺に対する手当てが充分に行なわれなかったのに、一方霊廟の別当、つまり
墓守りの方へは徳川家から直々に祿米手当があった上に、世に知られない余祿が数あった....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
は認められていなかったのであります。このほかには陵戸というのがあります。すなわち
墓守で、後世に云えば隠坊の類です。この陵戸は屍体に触り、葬儀に預かるものでありま....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
の末路を語っているものである。桂河辺に来てエタの本をなしたという人々は、まさかに
墓守と屠者とを兼業することもなかったであろうが、他の道をたどったものは、彼らの慣....
「「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
ら、これらの部落はおそらくは墓処の世話人に起因したという風に考えてみれば、仏葬の
墓守が同時に屠者ではありえないという意味から、屠者すなわちエトリはおそらくエタの....