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「墓畔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

墓畔の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
芽生」より 著者:島崎藤村
の足は娘達の墓の方へ向かなく成った。お繁の亡くなった頃は、私もよく行き行きして、墓畔《ぼはん》の詩趣をさえ見つけたものだが、一人死に、二人死にするうちに、妙に私....
雛妓」より 著者:岡本かの子
んだ。多摩川の川づらには狭霧が立ち籠め生あたたかくたそがれて来た。ほろほろと散る墓畔の桜。わたくしは逸作の腕に支えられながら、弟の医者にちょっと脈を検められ、「....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いの声を放つところであろう。思いなしか、晴れた朝がまた陰って来た。 拝し終って墓畔の茶屋に休むと、おかみさんは大いに修善寺の繁昌を説き誇った。あながちに笑うべ....
」より 著者:島崎藤村
、悲しい生涯を思わせるようなものであった。十六の年に親しい友に死別れて、それから墓畔のさまよいを楽むように成ったことや、ある時はこの世をあまり浅猿しく思って、死....
断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
しょに葬られたのではないかと思いだした。彼は苦しい体を起して立った。それは確かに墓畔で自分たちは棺の中へ入れられているところであった。葢の除れているのは不思議で....
三つの挿話」より 著者:堀辰雄
墓畔の家 これは私が小学三四年のころの話である。 私の家からその小学校へ通う....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
正成の筆という石摺などを買った。菅茶山《かんさざん》の詩『客窓一夜聞松籟月暗楠公墓畔村』を想出して、昼と夜とこそ違え同じ感慨を起したことであった。しかるに今日で....
秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
いの声を放つところであろう。思いなしか、晴れた朝がまた陰って来た。 拝し終って墓畔の茶店に休むと、おかみさんは大いに修善寺の繁昌を説き誇った。あながちに笑うべ....
西航日録」より 著者:井上円了
にくらべるものはない。私は西欧第一の人と称している。) プレゲルはカント先生の墓畔に流るる川なり。 同日、午後七時ケーニヒスベルク発車、夜中十一時、独露国境....
自由なる空想」より 著者:小川未明
想し、自由に想像し、自由に悦楽し、自由に反抗せよ! 新緑の好季節に、雑司ヶ谷の墓畔を散歩すると、そこには、幾何の詩人、作家、批評家が地下に眠っている。私は、共....
ラスキンの言葉」より 著者:小川未明
ようである。知己、友人の幾人かは、その間に、こゝへ葬られて眠っている。 いま、墓畔近く、居して、こゝを散歩すると、それ等の人達の墓を巡詣すべく、習慣づけられて....
姫たちばな」より 著者:室生犀星
者らはいずれも兄妹のようなものに思われてならぬ。」 しの竹の垣を結んだ一囲いの墓畔は、すぐ生田川の流れを見迥かされる、高みのある松林のはずれに建てられた。川の....