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「墓碑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

墓碑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
階段」より 著者:海野十三
いうことになった。四宮理学士は、背丈はあまり高くはないが、色の白いせいか大理石の墓碑のように、すっきりした青年理学士で、物静かな半面に多分の神経質がひそんでいる....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
あせると宗匠はねんごろにそれを川に流し、または丁寧に地中に埋める。その霊を弔って墓碑を建てる事さえもある。 花道の生まれたのは十五世紀で、茶の湯の起こったのと....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
子たちにも親切に教えた、いろいろの慈善をも施した、碓氷川の堤防も自費で修理した。墓碑に寛延の年号を刻んであるのを見ると、よほど長命であったらしい。独身の彼は弟子....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
「とにかく、後の仕事は、君が珍蔵する十六世紀前紀本でも漁ることだ。そして、僕等の墓碑文を作ることなんだよ」 「うん、その十六世紀前紀本なんだがねえ。実は、それに....
運命」より 著者:幸田露伴
姓を許されて、方氏また栄ゆるに至れり。廖氏等拾骸の功また空しからず、万暦に至って墓碑|祠堂成り、祭田及び嘯風亭等備わり、松江に求忠書院成るに及べり。世に在る正学....
青春論」より 著者:坂口安吾
のしむほどの度胸はないし、過去などはみんな一片の雲になって、然し、スタンダールの墓碑銘の「生き、書き、愛せり」ということが、改めてハッキリ僕の生活になったのだ。....
中庸」より 著者:坂口安吾
。拙かりし生涯をかえりみれば、有終の美をとどめたものと云うべきであろう。余は余の墓碑銘を次の如くに記しておいた。 「中庸に敗る」....
死と影」より 著者:坂口安吾
新しく生きるためには、この一人の女を、墓にうずめてしまわねばならぬ。この女の墓碑銘を書かねばならぬ。この女を墓の下へうめない限り、私に新しい生命の訪れる時は....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
して駈けよった。風雨にさらされてまっ黒になったその十字架には、からくも次のような墓碑銘が読めるのだ。 ――R・Kという女。一八八二年にこの島にて死す。夫に死な....
」より 著者:犬田卯
俺は商売さ。」 ひらりと自転車を下りたその中年の男――選挙ブローカーもやれば、墓碑の下文字も書く、蚕種、桑葉、繭の仲買いもやれば、雑穀屋の真似もやると言ったよ....
父の墓」より 著者:岡本綺堂
七日、春雨さむき朝、逝水落花のあわれを示し給いて、おなじく九日の曇れる朝、季叔の墓碑と相隣れる処を長えに住むべき家と定め給いつ。数うれば早し、きょうはその二七日....
磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
。弟子たちにも親切に教えた、色々の慈善をも施した。碓氷川の堤防も自費で修理した。墓碑に寛延の年号が刻んであるのを見るとよほど長命であったらしい。独身の彼は弟子た....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
短冊を懸賞したものもあるが獲られなかった。 日露戦役後、度々部下の戦死者のため墓碑の篆額を書かせられたので篆書は堂に入った。本人も得意であって「篆書だけは稽古....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
に、別にかわりたることなし。 ベルリンの墓所は日本の墓所の風とはなはだ相近し。墓碑は極めて粗略なるものにして、その富めるものは広く地面を取り、周囲に鉄柵をめぐ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
路の尽頭に立てる大寺院なれども、目下修繕中にて閉鎖せり。その境内に墓地あり。その墓碑はわが国のものとよく相似たり。街路はすべて石を敷き、家屋たいてい木造、二階建....