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増える
「増える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
増えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
貧乏人の多い町で、よくよく金に困って、質草もなくただ利子に追われている質札ばかり
増えるのを持て余している者がちょっとやそっとの数ではあるまい。だから目先のことだ....
「家」より 著者:島崎藤村
いた。植木|畠、野菜畠などはドシドシ潰されて了った。土は掘返された。新しい家屋が
増えるばかりだ。 三吉はこの草地へ来て眺めた。日のあたった草の中では蟋蟀が鳴い....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
に置いて (さあ、困った) と、布団の中で、眼を閉じていた。 (どんどん門人は
増えるそうだし、見に行ってきた同心、手先の奴等、口を揃えて、あれが正真正銘の大作....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
、減りもしないで健在である。 昆布店は、もしそれが東京にあったなら、恐らくは、
増えるか、減るか、したであろう。それは、大阪名物であるが故に、東京人をして、一口....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
、良い素質にも拘らず警官の各種の犯行を産んでいるのではないかと思う。泥棒やスリが
増えるのと××して、××の犯罪者だって増すだろう。巡査と犯人とは決して××な存在....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
、体重をとるので呼び出された。十三貫四百目。去年の末からとるたびに百目二百目ずつ
増える。からだの丈夫なのはこれで察してくれ。 * 堀保子宛・明治四十三年....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
。また浅草の米蔵を開いて籾を窮民に頒ったりした。しかしもちろんこんな事では日々に
増える不幸の餓鬼どもを賑わすことは出来なかった。米の磨汁を飲むものもあれば松の樹....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
た。歩いて行くに従って路の上に含有される人間の密度が多くなって来たが、それは益々
増える一方で、軈てのこと科学者は人間の群から圧迫せられてどうにも動けなくなった時....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
千万に存ぜられます」 「俺は蔵書を売り払って、二万両の金を手に入れたが、日に日に
増える窮民を、救ってやることは不可能だ」 「限りない人数でございますので」 「そ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
取り、 久「多助さん、いゝ商売を始めたなア」 多「まア仕合せな事でお得意先が日々
増えるばかりさ」 久「好い事を考えた、これは別だよ、誉める人もあり、中には悪くい....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
家のおやつのテーブルには少なからず騒ぎがおこり、菓子や砂糖漬けのご馳走がむやみと
増えることもあろうし、ことによれば、銀の茶瓶を見せびらかすこともある。したがって....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
つもの緊急令には恨めしい眼をして黙ってしまう。これでも営業している手前どうせ税の
増えることばかりだ。そして息子はナチス。やっと月謝を工面して体操学校へ通って中等....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
という風にして、段々順を廻すと、恰度その内に一人返事をしないで座っている人が一人
増えるそうで。 「本叩き」というのは、これも同じく八畳の床の間なしの座敷を暗がり....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
派線一帯にかけて、何千町歩という美田が出来上る。北海道の産米がそれで一躍鰻上りに
増えるのだった。 村長を看板にし、関係大地主が役員になって、「土功組合」を組織....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
動くというので村の評判になったのです。これは基督の再臨の兆だというので、お詣りが
増える。教会では感謝のお祭りがあったのです。大変な騒ぎになりました。このくらいま....