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「増す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

増すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
。 「仏陀《ぶっだ》の運命も同様です。が、こんな事を一々御話しするのは、御退屈を増すだけかも知れません。ただ気をつけて頂きたいのは、本地垂跡《ほんじすいじゃく》....
或る女」より 著者:有島武郎
り》に顔を伏せながら念じるように目をつぶって見たが、いいようのないさびしさはいや増すばかりだった。葉子はふと定子を懐妊していた時のはげしい悪阻《つわり》の苦痛を....
或る女」より 著者:有島武郎
葉子はそれが優《すぐ》れた人であると聞かされれば聞かされるほど妬《ねた》ましさを増すのだった。自分の目の前には大きな障害物がまっ暗に立ちふさがっているのを感じた....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
活溌溌《かつはつはつ》の鉄拐《てっか》を表わせしに、今はその憔悴《しょうすい》を増すのみなりけり。 渠は想えり。濶達豪放の女丈夫! 渠は垂死の病蓐《びょうじょ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
また一部は、他の方法でもできる。この熱は我々の感覚に作用する。太陽や恒星に黒点が増すとその光は暗くなり、反対にこの黒点が消えると明るくなる。黒点の強さが消長する....
猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
猫や婆猫には首環でもあるまいし、又涎掛でもあるまいが、丁度斯様なものを与えて愛を増す所の小猫には、他の色よりも赤が好い、猫も喜び吾々が見ても可愛らしい、猫を実用....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
秘密の印を結んで、いら高の数珠を揉めば揉むほど、夥多しく一面に生えて、次第に数を増すのである。 茸は立衆、いずれも、見徳、嘯吹、上髭、思い思いの面を被り、括袴....
海の使者」より 著者:泉鏡花
月に黒い影が添って、水を捌く輪が大きくなる。 そして動くに連れて、潮はしだいに増すようである。水の面が、水の面が、脈を打って、ずんずん拡がる。嵩増す潮は、さし....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
、金輪、奈落、長く深く残って朽ちぬ。百年、千歳、失せず、枯れず、次第に伸びて艶を増す。その髪千筋一筋ずつ、獣が食えば野の草から、鳥が啄めば峰の花から、同じお稲の....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しても、それは丁度鳥と魚とが一|緒に住おうとするようなもので、ただお互に苦しみを増すばかりじゃ。そち達は矢張り離れて住むに限る。――が、俺が斯う申すのは、決して....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まいそうな様子でした。目に入るものみんな、何もかも、子家鴨にとっては悲しい思いを増すばかりです。 ある夕方の事でした。ちょうどお日様が今、きらきらする雲の間に....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ァラデーの熱心や能力に対して気の毒ではあるが、王立協会のただ今の財政では、これを増す余地は絶対にない」ということが書いてある。 しかしその翌年に、下院議員のジ....
狂人日記」より 著者:秋田滋
て「早く、早く、早く!」と叫んでいるようだ。自然は滅ぼせば滅ぼすほど、新らしさを増すものだ。 七月二日―― 生きもの。――生きものとはそもいかなるものであろ....
北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
虹が出来、なお太陽を中心として十字形の虹が現われるのだが、その交叉点が殊に光度を増すので、真の太陽の周囲四ヶ所に光体に似たものを現わす現象で、北極圏内には屡※見....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
るため自然、後者を有利とすること多し。 爾後、火器の発達により正面堅固の度を増すに従い、戦闘正面の拡大を来たし逐次、横隊戦術に近似するに至れり。欧州大戦初期....