増上寺[語句情報] » 増上寺

「増上寺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

増上寺の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
かに引きつらした。 葉子の胸をどきんとさせるほど高く、すぐ最寄《もよ》りにある増上寺《ぞうじょうじ》の除夜の鐘が鳴り出した。遠くからどこの寺のともしれない鐘の....
星座」より 著者:有島武郎
いなのか、梵鐘《ぼんしょう》の音を園は好んで聞いた。上野と浅草と芝との鐘の中で、増上寺の鐘を一番心に沁みる音だと思ったり、自分の寺の鐘を撞きながら、鳴り始めてか....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
なわち前将軍|秀忠《ひでただ》公のご忌日に当たるところから、例年のごとく将軍家の増上寺お成りがあるため、お城内も沿道もたいへんな騒ぎでした。ひと口にいったら、芝....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
かげま》茶屋です。――江戸の陰間茶屋と言えば、芝の神明裏と湯島の天神下と、一方は増上寺、一方は寛永寺と、揃いも揃って女人禁制のお寺近くにあるというのに、京はまた....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
なか降ってきそうもないし、さいわいご奉行所は非番でしたから、主従三人お昼すぎから増上寺のお花|御堂《みどう》の灌仏会《かんぶつえ》に出かけて、ついでのことにおな....
新生」より 著者:島崎藤村
、女の持つ物に適《ふさ》わしく出来ていた。彼が移り住んだ下宿の界隈《かいわい》は増上寺を中心にした古い寺町で、そういうものを容易《たやす》く手に入れられるような....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
このほか熱田神宮本殿、日枝神社、松蔭神社、東郷神社なども災厄を受け、寺院では増上寺、泉岳寺等も爆撃された。 病院では、慶応病院、鉄道病院、済生会病院、松沢....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
尾州であったということも、父の耳をそばだてさせた。 その中には、開城の前夜に芝増上寺山内の大総督府参謀西郷氏の宿陣で種々な軍議のあったことも出て来た。城を請け....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
しくする俳諧友だちのいずれもは皆その床屋の定連である。柳床と言って、わざわざ芝の増上寺あたりから頭を剃らせに来る和尚もあるというほど、剃刀を持たせてはまず名人だ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ものように、四国町の邸を出て、殿の下屋敷を警護するため、根岸の方へ歩いて行った。増上寺附近まで来た時であったが、「ヒーッ」という女の悲鳴がした。同時に山門の暗い....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
て祀ってよい人だと思いました。 お竹如来のことはその後も忘れませんでしたが、芝増上寺の末寺飯倉赤羽橋の心光院に今なお祀られていることを最近に知り、それがまた故....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
句を題して、青山居士と署した反故が、張り貫きの箱の中に久しくしまってあった。芝の増上寺が焼けたのは、おれが青山にいた時だといっていた。鶴見はその話をかすかにおぼ....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
めて、南の縁で麦酒を飲みながら私にいろいろの話をしてくれた、目黒|界隈はもと芝|増上寺の寺領であったが、いつのころか悪僧どもが共謀して、卑しい手段で恐ろしい厳し....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
五千両の無心 慶応二年師走のある寒い昧暗、芝増上寺の庫裏を二人の若い武士が襲った。二人とも、麻の草鞋に野袴、革の襷を十字にか....