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「墨守〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

墨守の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
あるわが日本の映画が、もっとも俳諧の欠乏したアメリカ映画にそっくりな手法ばかりを墨守していることである。 ともかくもルネ・クレールの映画のおもしろみを充分に味....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
て来た日本人にのみ言われる言葉である。それで連歌以来季題が制定されてそれが俳諧に墨守されて来た事は決して偶然ではないのである。たとえばフランス人ジュリアン・ヴォ....
天災と国防」より 著者:寺田寅彦
や風害に堪えたような場所にのみ集落を保存し、時の試練に堪えたような建築様式のみを墨守して来た。それだからそうした経験に従って造られたものは関東震災でも多くは助か....
辞典」より 著者:戸坂潤
に存する。従って形式論理は、諸事物間のひたすらの区別と対立とを、無条件に絶対的に墨守する建前を持っているのであって、同一律(AはAである)、矛盾律(Aは非Aに非....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
のみ、次第次第に剪除されて行くのみである。地上の人類が、現在の如き非合理的法律を墨守して居る限り、先ず改善の見込は絶無であろう。 問『無邪気な小児は、死後直ちに....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
否かの成り行きを待つのはつらいことだった。革命の国でありながら世にもっとも旧慣|墨守《ぼくしゅ》の国たるこの国の、ごく古くからの習慣に従って、試験は七月に、一年....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の芸術家がほとんど思いついていないものであって、ワグナー派の伝統にしみ込んだ旧慣墨守の批評家らが、否定してかかってるものであった。それは新しい作品だった。ベート....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
興を与えるテナーの小曲、などを通じてばかりだった。翰林院《アカデミー》式の旧慣を墨守してる愚劣な作家らがローマという名をもち出すのを、あまりにしばしば聞かされて....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の虐待にほかならぬ。世間はすでに立憲政治の行われているに、家の中はなお封建制度を墨守しているものが多い。主人家族は美食しているが、小僧雇人は特別の粗食である。休....
露の答」より 著者:坂口安吾
ホラ、木が飛んだ、お叱言はキリもなく続きますが、男は風馬牛、自らの流儀をあくまで墨守して熱闘十分間薪木を切り終ると今度はそれを抱え去って風呂の火をたきつけていま....
ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
白馬会の全盛時代であって、白馬会に非ざるものは人に非ずの概があった。しかし、旧套墨守のそうしたアカデミックな風潮に対抗して、当時徐々に新気運は動きつつあった。そ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
卿の本意を知るべき事なし」。しかし尭孝は何といっても為家以後頓阿までを立てる伝統墨守派だから、折あれば定家を抑制することは忘れない。『井蛙抄』に定家が慈鎮へ送っ....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
ただ屠者すなわち餌取の輩のみは、その殺生を常習とする事から、相変らず旧来の習慣を墨守して、これを喰うことを避けなかったが為に、自然と一般民から疎外せらるるに至っ....
戦争ジャーナリスト論」より 著者:戸坂潤
呼ぼう)について云えば、之も亦もはや決して孤立した領域をジャーナリズム一般の内に墨守することが出来なくなる。すでに政治外交に関する最も伝統的なジャーナリズムの領....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
軍の大増加と殲滅戦略の大徹底を来たしたのであるが、依然国軍の編制はモルトケ時代を墨守し、欧州大戦勃発初期、国境会戦等であたかも一八一二年ナポレオンの犯したと同じ....