墨染の衣[語句情報] » 墨染の衣

「墨染の衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

墨染の衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
ばかりで、あの嘘つきの歌人めが、とむらむら腹が立って来ます。このように寒くては、墨染の衣一枚ではとてもしのぎ難く、墨染の衣の上にどてらをひっかけ、犬の毛皮を首に....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
山は富士の根」と詠じた情熱の詩人|在原業平も、流竄の途中に富士を見たのであった。墨染の衣を着た坊さんが、網代笠を片手に杖ついて、富士に向って休息しているとすれば....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ものである。ちょうど私が一燈園に西田天香氏を訪れる前、折蘆遺稿で読んで感動した「墨染の衣を着るになほ若し綾あるきぬはきのふ脱ぎけり」というような気持ちのとき書い....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
めて御らんになるのだけれ共まだ三十にもならないのに老僧のような姿にやせ衰えてこい墨染の衣に同じ色の袈裟、香の煙のしみ込んだよく行いすました道心者の様子をうらやま....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
いものではない。仏法などは無相の相といって、どんな形にでも変転することができる。墨染の衣にでも、花嫁の振袖にでも、イヴニングドレスにでも、信仰の心を包むことは自....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
奇功を収めたる以上は、我事すでに了れりとし主家の結末と共に進退を決し、たとい身に墨染の衣を纒わざるも心は全く浮世の栄辱を外にして片山里に引籠り静に余生を送るの決....
法然行伝」より 著者:中里介山
となったが矢張り上人から手紙を貰って秘蔵していた。或時病気でなやんでいたが、夢に墨染の衣を着た坊さんが来て、青白二茎の蓮華をもって来て往生の時と極楽の下品《げぼ....