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墨流し
「墨流し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
墨流しの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖術」より 著者:泉鏡花
まだどうやら冬の余波がありそうで、ただこう薄暗い中はさもないが、処を定めず、時々
墨流しのように乱れかかって、雲に雲が累なると、ちらちら白いものでも交りそうな気勢....
「天狗」より 著者:太宰治
なったであろう。芭蕉だって、名句が十あるかどうか、あやしいものだ。俳句は、楽焼や
墨流しに似ているところがあって、人意のままにならぬところがあるものだ。失敗作が百....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
実際、風流とは心の自由を意味すると思われるからである。(昭和七年九月、渋柿) 「
墨流し」の現象を、分子物理学的の方面から、少しばかり調べてみていたら、だんだんい....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
対流渦による波状雲のことは今さら述べるまでもないが、これに類似の縞は、近ごろ「
墨流し」の実験をしているときに、最初表面に浮かんだ墨汁の層が、時がたつに従って下....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
買ってござりまし」 「要《い》らねえ、要らねえ」 「おみやげに桜皮のたんじゃく、
墨流しのたんじゃく、お買いなさんし」 「おかみさん」 そこで米友が立止まって、....
「比較科学論」より 著者:中谷宇吉郎
形の研究を進められた。割れ目の研究にしても、電気火花にしても、線香花火にしても、
墨流しにしても、みな形の研究という考えが、その基調をなしている。 それから、現....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
れは、前に「墨色」という雑文を書いた時に詳しく言ったように、寺田《てらだ》先生の
墨流しの研究や、墨と硯《すずり》に関する物理的研究を読んで、東洋の精神の一つのあ....
「アラスカの氷河」より 著者:中谷宇吉郎
その特徴は、各線条が常にならんでいて、決して互いに交錯しない点にある。その形は、
墨流しの模様に、そっくりである。 この線条の模様が見られる機会は、非常に少ない....