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「墨色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

墨色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
軸が、煤《すす》けた錦襴《きんらん》の表装《ひょうそう》の中に朦朧《もうろう》と墨色《ぼくしょく》を弁じていた。私は折々書見の眼をあげて、この古ぼけた仏画をふり....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
これはすぐに気を変えて、 「何? 叔母さん、それは。」と云った。 「今神山さんに墨色《すみいろ》を見て来て貰ったんだよ。――洋ちゃん、ちょいとお母さんを見て来て....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
んはんせつ》の水墨山水、高久靄※《たかくあいがい》で無論真筆紛れない。夜目ながら墨色深潤大いに気に入った。此気分のよいところで早速枕に就くこととする。 強いて....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ようだった。 陽はずんずん暮れて行くのだった。灰色からねずみ色に、ねずみ色から墨色にぼかされた大きな紙を目の前にかけて、上から下へと一気に視線を落として行く時....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ネオン・サインがだんだん浮きあがって来た。そしてその間を待望の夜の闇が、静かに薄墨色の翼を拡げていった。夜だ、夜だ。遂にまた夜のT市が巡って来たのだった。僕は卓....
海の使者」より 著者:泉鏡花
何時もぐらぐらと動く。橋杭ももう痩せて――潮入りの小川の、なだらかにのんびりと薄墨色して、瀬は愚か、流れるほどは揺れもしないのに、水に映る影は弱って、倒に宿る蘆....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
雑誌の半面、新聞の五行でも、そいつを狙って、鷹の目、梟の爪で、待機中の友達のね、墨色の薄いのと、字の拙いのばかり、先生にまだしも叱正を得て、色の恋のと、少しばか....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
昇りながら、一つずつ提灯に灯ともすが、右の方より始めたれば、小親という名、ぱっと墨色濃く、鮮かに最初の火に照されつ。蝋燭の煮え込まざれば、その他はみな朧気なりき....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
害狂の類で、話がすこぶるこんがらがり、筋が通らず出鱈目が多い。日附は書いてないが墨色も書体も一様でないところを見ると、一|時に書いたものでないことが明らかで、間....
三枚続」より 著者:泉鏡花
たんだ。様あ見やがれ、」というと、嶮のある目を屹と見据え、今なお座中に横わって、墨色も鮮に、五千疋とある奉書包に集めた瞳を、人指指の尖で三方へ突き廻し、 「誰を....
妖怪学」より 著者:井上円了
その他諸怪物 第二種、すなわち他人の媒介によりて行うもの 巫覡、神降ろし、人相、墨色、九星、方位、卜筮、祈祷、察心、催眠、その他諸幻術 第三種、すなわち自己の身....
妖怪研究」より 著者:井上円了
怪 第二種、すなわち他人の媒介によりて行うもの 巫覡、神おろし、人相見、墨色、卜筮、予言、祈祷、察心、催眠、その他諸幻術 第三種、すなわち自己の身心の....
迷信解」より 著者:井上円了
等の効の信頼すべからざること。 (六)卜筮、御鬮、人相、家相、鬼門、方位、九星、墨色等を信ぜぬこと。 (七)縁起、日がら等にかかわることのあしきこと。 (八)そ....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
の他諸怪異 第二種、すなわち他人の媒介によりて行うもの 巫覡、神降ろし、人相見、墨色、卜筮、予言、祈祷、察心、催眠、その他諸幻術 第三種、すなわち自己の身心の上....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
と見た時西洋人かしらと思ったほど、洋装がしっくりとよく似合い、帽子から、靴まで薄墨色であった。背が高くて、スマートな、好ましい姿だ。と陽子はつくづく眺めた。余り....