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墨跡
「墨跡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
墨跡の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
こそは、所謂歳の字の当字であろうと、斯う思い込んで居りましたところ、頃日、名家の
墨跡を見、歳の字の件まで参りました所、才の字が書かれてございました」 「それとて....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
る弥生どのの筆跡。
よほど急いで認めたものらしく一枚の懐紙《かいし》に矢立ての
墨跡がかすれ走って、字もやさしい候《そうろう》かしくの文……。
というと、いか....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
や朝夕の人の心にふさわしき器物の取なしや配合調和の間に新意をまじえ、古書を賞し古
墨跡を味い、主客の対話起座の態度等一に快適を旨とするのである、目に偏せず、口に偏....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
嘘なのであった。みんなは迷惑をしたのであった。 「さて、和漢の珍器、古今の名匠の
墨跡、家々の重宝共此時にあらずばいつを期すべきと、我も/\と底を点じて出されける....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
で》に伸縮《のびちぢみ》して動き出したあの片頬と、猫板の上に遺して行ったおりんの
墨跡とが、掻き消すように失くなっていたことだった。 磯屋の物と言わずすべて蒲鉾....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
らの人々の俗欲の目には絶対に飛び込んでつき合ってはくれないことになっている。名画
墨跡を膝下に展くも、名器を目前に陳ぶるも、道具屋一流の囚われた見方以外には一歩も....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
なおさずこの一点に存すると考えられないことはないのである。譬えるまでもなく、仮に
墨跡が分る具眼者であるとしても自己に能書ありとはかぎらない。牧谿が分る、梁楷に合....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
それが修養によりにわかに円熟に進まれたものであろうと思うのである。そのことはその
墨跡の数点が物語るところである。なかにはずいぶん権柄ずくな調子のものもあって、私....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、客の目にふれるような所へ、何で懸けておくのだろうか。――ほかになんぞ大徳寺物の
墨跡でも懸けておいたらよかりそうなものなのに。 ――その時、板縁をふんでくる人....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
職で、ここは愚堂の師、大愚和尚の住んでいたお寺である。で、寺には今も大愚、愚堂の
墨跡、尺牘、反古の文字までが数多残されているということであり、わけてG氏は、自身....