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「壁上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

壁上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
彼は顔をしかめたまま二三度頭を強く振った。火の光、床《ゆか》の毛皮、それから壁上の太刀《たち》や剣《つるぎ》、――すべてが彼には、怪しげな幻のような心もちが....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
た人がいたかね? 又 あらゆる古来の天才は、我我凡人の手のとどかない壁上の釘《くぎ》に帽子をかけている。尤《もっと》も踏み台はなかった訣《わけ》では....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
ょし》のように、当惑そうな顔を赤めました。が、やっと寂しい微笑を洩すと、おずおず壁上の名画を見ながら、こう言葉を続けるのです。 「実はあの画を眺めるたびに、私《....
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
立てて、捜査に取懸った。 「このスウィッチは、開いている」一同が入った入口の側の壁上で、その入口から六、七間奥まったところに大きいスウィッチが取附けられてあった....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
毯が敷かれてあった。なお、庭に面した側には窓が一つしかなく、それ以外には、左隅の壁上に、換気筒の丸い孔が、ポツリと一つ空いているにすぎなかった。そして、周壁を一....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
っと一同が小屋を忍びでたのである。そこには、地下からうねうねと上へのびて東方の絶壁上へでる、やっと這ってゆけるほどの地下道があった。一同はこうして、猿酒郷を命か....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
る。 ハタハタ、ハタハタと蝙蝠が二人の周囲を飛び廻わる。その羽風に灯火が揺れ、壁上の陰影が延び縮みする。そうして大河の音が聞こえる。 「月子殿」と陶器師は云っ....
落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
て立ち上がると、この部屋の変化の神秘が急に理解されるようになってきた。私は前に、壁上に描かれている画の輪郭は十分はっきりしてはいるが、その色彩がぼんやりしていて....
簔虫と蜘蛛」より 著者:寺田寅彦
衣のくずといったような気もした。 この恐ろしい敵は、簔虫の難攻不落と頼む外郭の壁上を忍び足ではい歩くに相違ない。そしてわずかな弱点を捜しあてて、そこに鋭い毒牙....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
転じて左岸をつく。そうしてその軟い岸を蹴破ってとうとうと流れ下る。この際右岸の鉄壁上に眠りつつ太平楽を夢みるものあらば、たれかこれを愚なりとせぬものがあろうか。....
バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
た。けれども、それから四五日経った或日の夕方であった。三人の日本人がコロシアムの壁上に立って、タマルパイの彼方に沈む紅い夕陽を眺めていると、六時の時報が高塔から....
人の首」より 著者:高村光太郎
、其とても活世間という一つの活舞台の中では、おのずから活きた事情にとりまかれて、壁上にかかり、台座の上に載っている作られた首の様にアフェクテエション一点張ではな....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
ている中に朝鮮人に毒を盛られて殺されてしまった。その死ぬる時に五台山停点普通院の壁上に左の手記あるを慈覚大師が発見せられた、「日本国内供奉翻経大徳霊仙元和十五年....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
は一カ寺五万円に下らずという。 寺院に金円を寄付したるものは、その姓名を堂内の壁上に刻し、後日の記念となす。あたかもわが国の寺院に永代読経の掲示あるがごとし。....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
また、室内をうかがい見るに、あるいは観音の像をかけ、あるいは関帝を祭り、あるいは壁上に神字を刻したるものを崇拝す。カントンの寺院の前には乞食多く集まりて旅客を煩....