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「壁掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

壁掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
組子細工の円天井の奥の方は、どんなに眼を見張っても視力がとどかなかった。黒ずんだ壁掛けが壁にかかっていた。家具はたいがい大がかりで、わびしく、古びて、ぼろぼろに....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
いちいち、古い記憶のある調度ばかりだった。鶯色の緞子の垂幕、「美人戯毬図」とした壁掛けの刺繍、さては誤って彼が縁を欠いた花瓶までが、嘗て覚えていたと同じ場所に、....
間諜座事件」より 著者:海野十三
ッカリ開いた窓に向けられている。もっと精確に云うと銃口は、向いの窓の内から見える壁掛電話機を覘っているのだった。――その電話機は、受話器が紐のままダラリと下って....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
静かであった。 露台が海へ突き出ている。潮風が部屋の中へ吹き込んで来る。深紅の壁掛けが裾を顫わせ、香炉から立ち昇る香料の煙りが右に左に揺れ動く。鼻を刺す鋭い匂....
斜陽」より 著者:太宰治
何か私に用事がありげに見えたので、私はそっとその後を追った。 老先生は支那間の壁掛の蔭に行って立ちどまって、 「バリバリ音が聞えているぞ」 とおっしゃった。....
落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
は戦慄した。私はまた、この無我夢中の恐怖の数瞬間に、その部屋の壁を蔽うている黒い壁掛けが静かに、ほとんど眼にたたぬほどかすかに、揺れるのを見た。それから私の視線....
暗号の役割」より 著者:海野十三
うか。じゃあ金庫部屋へ踏みこめ」 袋猫々の書斎に、その秘密金庫はあった。見事な壁掛をはずすと、その下に金庫の扉が見えていた。 しかしこれが仲々明かないのであ....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
館館主の部屋で、和蘭陀《オランダ》風に装飾《よそお》われている。壁に懸けられたは壁掛けである。昆虫の刺繍が施されてある。諸所に額がある。昆虫の絵が描かれてある。....
流線間諜」より 著者:海野十三
釈してよいやら、皆目見当がつかず呆然としてその前に立ち尽すばかりだった。――この壁掛図が、部屋飾りのために掛けてあるのでもなく、また偶然そこにあったというのでも....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
の血をつけて、出来るだけ忠実に写生し、織り交ぜ、「あらぶ・すぺいん」風の盛大な絵壁掛けを一つ作り上げてみたい。 To begin with ―― of all....
小公女」より 著者:菊池寛
う。椅子から手を伸すと取れるところに、本箱を置くの。炉の前には毛皮を敷くの。壁は壁掛と額とで隠してしまうの。小さいのでなきゃア似合わないけど、小さくても綺麗なの....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ばして寝ていました。 彼女はきらきら光る白い麻布でおおわれていましたが、それが壁掛けの濃い紫色とまことにいい対照をなして、その白麻は彼女の優美なからだの形をち....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
あろう。その上に壁の合間などに、波斯織りだの亜剌比亜織りだのの、高価らしい華麗な壁掛けなどが、現代の眼から見る時には、ペンキ画ぐらいしかの値打しかない――しかし....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ス邸、ストランドにあって川を見おろす、大きなゴシック建の私邸の、板張りの広廊下や壁掛けに飾られた密室のなかにあった。そこでは、アントニイ・ベエコンが、脚をフラン....
情鬼」より 著者:大倉燁子
てなかった。しかも電気がついているので室内は一目でよく見えた。長椅子、安楽椅子、壁掛まで全部同色の鼠色で、寄木細工の床の上には処々にペルシャ絨氈が敷いてある。あ....