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壁虎
「壁虎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壁虎の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、よくよくあらためて見ると、また驚いた。というのは、蛇ばかりでなく、人形の腹には
壁虎《やもり》が一匹やっぱり釘づけになって生きている。よっぽど執念ぶかい奴の仕業....
「河明り」より 著者:岡本かの子
床へは階段で上った。粘って青臭い護謨の匂いが、何か揮発性の花の匂いに混って来る。
壁虎がきちきち鳴く、気味の悪い夜鳥の啼き声、――夕食後私はヴェランダの欄干に凭れ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
物が頑丈に打付けてございます。わたくしも正面から平気でのぞく訳にはまいりません、
壁虎のように扉のかげに小さく隠れて、そっと隙見を致しているのですから、暗い土蔵の....
「蟇の血」より 著者:田中貢太郎
その葉がじっと立っていた。ふと見るとその電燈の笠の内側に黒い斑点が見えた。それは
壁虎であった。
壁虎は餌を見つけたのか首を出したがその首が五寸ぐらいも延びて見えた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ば、可止法師に大いに同感を寄するが、それよりも感心なは居暁の博物《ものしり》で、
壁虎《やもり》の眼が瞬《またた》かぬなど少々の例外あれど、今日の科学|精覈《せい....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
側から流れてゆく、跫音のみが高く、この一座はあまりにも閑そりとしていた。お勢の、
壁虎の背のような怨み深げな顔……、成戸の、打算に長けた白々とした眼も……苦々しく....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
郎老のために育ててもらった、言わば養子の一人だ、目下自由党に加盟して働いている真
壁虎雄君から聞いて来たんだから、確かな話だ。 それを聞くや、えっ、と驚いたらし....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ものを其のままに啖うがわれらの教えじゃ。」 その食い物は、蝙蝠、梟、蛇、蜥蜴、
壁虎、蟆、犬、猫、狐、狸、鼬、鼠、貂のたぐいで、合図をすれば必ずどこからか現われ....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
太郎老のために育てて貰った。いわば養子の一人だ、目下自由党に加盟して働いている真
壁虎雄君から聞いて来たんだから、確かな話だ。 (それを聞くや、えっと驚いたらし....