壁訴訟[語句情報] »
壁訴訟
「壁訴訟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壁訴訟の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
あいけない」と、亭主は叱るように押し戻した。「お前さんに立て替えさせようと思って
壁訴訟《かべそしょう》をした訳じゃあない。長年の定宿だ。まかり間違ったところで私....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を、」 「馬鹿!」 と叱して、調子を弛めて、 「も休み休み言え。失礼な、他人の
壁訴訟を聞いて、根も無い事を疑うような酒井だと思っているか。お前がその盲目だから....
「親子」より 著者:有島武郎
して行って畑の中の広い空間に突っ立って思い存分の呼吸がしたくてたまらなくなった。
壁訴訟じみたことをあばいてかかって聞き取らねばならないほど農場というものの経営は....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
次第に悪しく、伝染の恐れあればなるべく逗子には遠ざかれとまで戒められ、さまざまの
壁訴訟の果ては昂じて実家の悪口となり、いささかなだめんとすれば妻をかばいて親に抗....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
る。一部の人士は今の文人を危険視しているが、日本の文人の多くは、ニヒリスト然たる
壁訴訟をしているに関わらず、意外なる楽天家である。 新旧思想の衝突という事を文....
「雁」より 著者:森鴎外
さと引き越すのだと云うのである。婆あさんはそれが厭でならぬので、知らぬ人にも夫の
壁訴訟をする。「この内なんぞもまだこんなに綺麗なのに、もう越すと申すのでございま....
「取舵」より 著者:泉鏡花
つつ、物を索むる気色なりき。側に在るは、さばかり打悩める婦女のみなりければ、渠の
壁訴訟はついに取挙げられざりき。盲人は本意無げに呟けり。 「はてな、小用場はどこ....