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壁間
「壁間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壁間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
隣りにある第一応接室の扉をグッと明けてみた。そこには目も眩む金色燦然たる大額が、
壁間にズラリと並んでいた。それは歴代の市長の肖像らしかった。誰も彼も市会に苛め抜....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
四角の闇が開いた。坑道――ディグスビイの酷烈な呪詛の意志を罩めたこの一道の闇は、
壁間を縫い階層の間隙を歩いて、何処へ辿りつくのだろうか。鐘鳴器室か礼拝堂かあるい....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
座敷だった。六畳敷きほどの広さの小ぢんまりとした部屋は床の間の基督受難の掛軸や、
壁間の聖母の画像や違棚の金縁背皮の厚い聖書らしい書物など、宣教師らしい好みで飾ら....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
頭がボーッとする、これでも踏む土の一部分だろうかと思うようだ、残雪は幾筋となく、
壁間を放射して、緑の森林の中へ髪の毛を分けるように、筋目をつけて落ちている、ただ....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
ございまするな」 さすがに美術商よと讃むべきであるが、岩田天門堂は、話の途中で
壁間の画を一目見ると愕きの声をあげた。 「君にも分るかね」 伯爵は、情けない声....
「金属人間」より 著者:海野十三
たが、この部屋にも窓というものがない。天じょうの上の古風なシャンデリアと、四方の
壁間にとりつけられた、間接照明灯《かんせつしょうめいとう》が、影のない明かるい照....
「地球要塞」より 著者:海野十三
―テレビジョン、点《つ》け! 吸音器《きゅうおんき》開け!」 私は、命令した。
壁間《へきかん》に、ぽッと四角な窓があいた。窓ではない、テレビジョンの映写幕であ....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
大統領は、蒼白になって、椅子の上にのびてしまった。一体どうしたというのであろう。
壁間には、塗りかえられた旧蘭印、旧マレイの地図が、夕陽を浴びて赤く輝いていた。....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
、通信長。テレビジョンをのぞかせろ」 と、テレビジョンの受影幕をのぞきこんだ。
壁間には昼間もはっきり見える九個の受影幕が、三個ずつ三列に並んでいた。その真中の....
「流線間諜」より 著者:海野十三
中心とする大地図が消え失せて、あとには始めにみた花鳥の図が、何事もなかったように
壁間に掛っていた。―― 「やったナ」 と首領の方に気をくばる。―― もう遅か....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
切れて飛びそうだ。つめたいのか痛いのかちょっと感覚の判断に迷う。 ボウイが正面
壁間の黒板へ何か書き出す。みなの眼が白墨へあつまる。NOW OVER と上にぺん....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
様です。一隅には、座蒲団を何枚も折りかさねた側に香立てを据えた座禅場があります。
壁間には、鳥羽僧正の漫画を仕立てた長い和装の額が五枚|程かけ連ねてあります。氏は....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
寂寥たるありさまなり。左の二首はそのときの所感を写す。 遥訪車、老農猶守古賢廬、
壁間留得林檎影、知是千秋不朽書。 (はるかにぽつんとある村を訪ねて、日暮れに車を....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
がしてならない。彼は市長室に一人物思いに沈みながらあちこちと歩いていた。たちまち
壁間に掲っているアルベルト・デュレールの画いた世界最初の人間アダムとエバが夫婦喧....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
で、これらを見せられて、今昔の感に堪えなかった。 岡田三郎助の雛妓の額が、また
壁間に残っているのも、思い出の種である。....