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壁隣
「壁隣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壁隣の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
じゃねえが、二階で寝ると魘されらあ。身分相当割床と遣るんだ。棟割に住んでるから、
壁隣の賑かなのが頼もしいや。」 「不可ませんよ、そんなことをお言いなすっちゃ、選....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
。遅うまで済みまへん」 彼女はそれをしおにようよう立ち上がって、礼をいいつつ、
壁隣りの自分の家に帰った。 七 まだ二月半ばの厳しい寒威は残っていて....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
と言う。 私は何処から出て来るのだろう? と思って、戸外に突立っていると、直ぐ
壁隣の洋食屋の先きの、廂合いのような薄闇りの中から、ふいと、真白に塗った顔を出し....
「雁」より 著者:森鴎外
それに乗じて威福を擅にすると云うのが常である。然るに上条で幅を利かせている、僕の
壁隣の男は頗る趣を殊にしていた。 この男は岡田と云う学生で、僕より一学年若いの....
「痴人と死と」より 著者:ホーフマンスタールフーゴー・フォン
す響なり。初めは遠く、次第に近く、終《つい》にはその音《おと》暖かに充ち渡りて、
壁隣《かべどなり》の部屋より聞ゆる如《ごと》し。)音楽だな。何だか不思議に心に沁....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
こういう人々が息つぎに集まる居酒屋らしく、夜に入ってこれから眠ろうかと思う頃が、
壁隣では、これからという賑やかな盛りになって来るのだった。 騒ぎ声だけならよい....