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「壜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

壜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
来た。それは当時の信輔には憎まずにはいられぬ運命だった。彼は毎朝台所へ来る牛乳の《びん》を軽蔑《けいべつ》した。又何を知らぬにもせよ、母の乳だけは知っている彼....
悠々荘」より 著者:芥川竜之介
も厳重に「悠々荘」の内部を隠していた。が、ちょうど南に向いた硝子窓の框の上には薬が二本並んでいた。 「ははあ、沃度剤を使っていたな。――」 Sさんは僕等をふ....
古狢」より 著者:泉鏡花
「あら聞こえると悪ござんすわ。」 とたしなめる目づかいが、つい横の酒類販売店のに、瞳が蝶のようにちらりと映って、レッテルの桜に白い頬がほんのりする。 「決し....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
ったように※と勢づいて、この日向で、かれこれ燗の出来ているらしい、ペイパの乾いた、膚触りも暖そうな二合詰を買って、これを背広の腋へ抱えるがごとくにして席へ戻る....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
たのはただ二人で、改札口へ渡るべき橋もない。 一人がバスケットと、一人が一升|を下げて、月はなけれど敷板の霜に寒い影を映しながら、あちらへ行き、こちらへ戻り....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
大沼さん。」 「貴方もかい。」 大沼善八は、靴を穿いた、裾からげで、正宗の四合を紐からげにして提げていた。 「対手が、あの意気込じゃあ、安閑としていられませ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
立つ、雁もどきと、蒟蒻の煮込のおでんの皿盛を白く吐く息とともに、ふうと吹き、四合を片手に提げて「ああ敷居が高い、敷居が高い、(鳥居さえ飛ぶ癖に)階子段で息が切....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
内側に銀の梅の蒔絵が薫る。……薫るのなんぞ何のその、酒の冷の気を浴びて、正宗を、の口の切味や、錵も匂も金色に、梅を、朧に湛えつつ、ぐいと飲み、ぐいと煽った――....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ません。」 「それでは、暗やみのなかで、友達のように語り明かしましょう。酒のひとぐらいはお持ちでしょうから。」 「わたしには酒もありません。」 ローマ人は笑....
黒百合」より 著者:泉鏡花
かり棚を釣って、重ね、重ね、重ねてあるのは、不残種類の違った植物の標本で、中にはに密閉してあるのも見える。山、池、野原、川岸、土堤、寺、宮の境内、産地々々の幻....
星女郎」より 著者:泉鏡花
開いた、ひどくハイカラな硝子盃を伏せて、真緑で透通る、美しい液体の入った、共口のが添って、――三分ぐらい上が透いていたのでしたっけ。 (ああ、それなの、憚りさ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
じゃなかったんで、手巾でげす。 でね、妙なことをしたというのは、もう一ツ小さなを取出して、その手巾の中へ、俯向けにしました。車が二三間駆け出す内に、はらはら....
雪柳」より 著者:泉鏡花
じゃないが、一本松の幹の中へ入った気で居て、それに供えるという処から、入りしなにに詰めた白いのを、鼻頭で掻分けたつもりで居る。それが朦朧として、何だかお冬さん....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
嬰児の口へ護謨の管で含ませようという世の中じゃあなかった。何しろ横に転がして使うなぞ見た事もないんだからね。……可かい。それに活計むきに余裕があるとなれば、ま....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
服でさ。」 「妙な天狗だね。」 「お聞きなさいよ。何とかウイスキイてんでしょう。をさ、――余り清潔じゃあない手巾に載せたまんまで、……仰向いてその鼻が、鼻が、....