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壟断
「壟断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壟断の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
声を立てた。が、大抵は大気都姫が、妹たちの怒には頓着なく、酒に中《ひた》った彼を
壟断《ろうだん》していた。彼は風雨も、山々も、あるいはまた高天原《たかまがはら》....
「親子」より 著者:有島武郎
そんな手にはかかるものかと思った。 「そんならある意味で小作人をあざむいて利益を
壟断している地主というものはあれはどの階級に属するのでしょう」 「こう言えばああ....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
のだ。 維新後、天下の大勢を牛耳って、新政府の政治と、新興日本の利権とを併せて
壟断しようと試みた者は、所謂、薩長土肥の藩閥諸公であった。その藩閥政治の弊害を打....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
かった。内地雑居となった暁は向う三軒両隣が尽く欧米人となって土地を奪われ商工業を
壟断せられ、総ての日本人は欧米人の被傭者、借地人、借家人、小作人、下男、下女とな....
「選挙に対する婦人の希望」より 著者:与謝野晶子
せんか。我々の生存に必要な政治上の権利を官僚と官僚の変形である既成政党との久しく
壟断するのに放任して置いて、それを自由に行使することを怠っていたということに今こ....
「婦人も参政権を要求す」より 著者:与謝野晶子
一の不合理はこの点にあります。それは百五十万乃至三百万人の有産階級のみが特権的に
壟断する政治であって、国民全体の政治とは如何にしてもいわれないのです。代議政治の....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
度を加えたのは、これ一には当時における文化なるものが、藤原時代において上流社会の
壟断《ろうだん》するところとなっておった文明に比べて、その典雅の度を減じて通俗に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のは、「芸術の威厳」とか「著作者の権利」とかいう言葉に交ってる、「トラスト」、「
壟断《ろうだん》」、「代価の低廉」、「収入額」などという言葉ばかりだった。がつい....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
つは正しい。正義を基礎とする唯一のものたる民主国においても、時として一部が権力を
壟断《ろうだん》することがある。その時全部が崛起《くっき》し、権利回復の必要上武....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
まず、積もり重なってる灰と塵芥《じんかい》とを清掃することだった。空気と日光とを
壟断《ろうだん》してる広場の市に、あらゆる犠牲を覚悟しあらゆる汚行をしりぞける勇....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
ぎない、がその量の差が質の差を結果した。日本の封建領主は幕府も藩主も関税の利益を
壟断《ろうだん》するかあるいは自ら貿易企業者の資格を帯びることによって利益した。....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
衣褫奪事件にひそむ幕府の真意は、朝権を否定して、あらゆる政治的威力を、己が掌中に
壟断せんとするに在った。沢庵の流罪は、この意味で公武抗争のひとつの犠牲だったわけ....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
れた牛や馬を拾得して、これを処理するの利益多き特権は、おのずからこの長吏法師等の
壟断するところとなった。後世にいわゆるエタをチョウリ(長吏)もしくはチョウリンボ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
。 朝廷の大官を始めとして、貴族等ひとり専横を極め、荘園の名の下に天下の田園を
壟断して、国政を顧みず、上に見習う地方官は誅求を事として、私腹を肥すことのみに汲....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
は自分の勢力にまかせて、その縄張り内にできた死牛馬を独占して、皮革その他の利益を
壟断し、他の落伍者仲間には触らせないようにしました。これがために物質上の利益を得....