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士民
「士民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
士民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
仏前生に身を捨て餓虎に施した故蹟に諸宝玉で餝《かざ》った大※堵波あり、隣邦の王公
士民競うて参詣し捧げ物多く花を撒き燈を点《とも》して間断《たえま》なしと見ゆ。結....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
山海、柳成竜等百余人に護られて、遠く蒙塵する事になった。四月二十九日の午前二時、
士民の哀号の声の中を西大門を出たのである。 行長、清正の二軍は、忠州に相会した....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れだけでは飽き足らないで、あらゆる流言を放ってこの機会に、駒井能登守というものを
士民の間の憎悪《ぞうお》と怨府《えんぷ》とにしてしまおうという策略のように見えま....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
、調査は明細、判断は公平、関係人諸役人を始めとして、不安の眼で眺めておった満都の
士民を、あっといわせたので、周防殿にも勝る佐渡殿よとの取沙汰|俄《にわか》に高く....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
。士嘉曰く、この樹が祟《たた》ったのだ、これを治すべしとて駕してその樹下に往く、
士民皆見物に出る、その間密偵せしむるに一人往かざる者あり、これを吟味するに果して....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ます。それで甲府の内外の人気もどうやら気抜けがしたようであったところに、はしなく
士民の間に火を放《つ》けたような熱度で歓迎される催しが一つ起りました。その催しと....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
れにか決せねばならぬという国家の一大事になっていたのであるが、太平に馴れた江戸の
士民は、全く太平になったと思い込んでいた。けれども幕府や藩々の枢要の人達は油断な....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
堂に施入するのが、三条家の嘉例ということになっている。三条家に限らず、当時京洛の
士民はみなこの因幡堂の薬師を信仰し、祈願を籠めたものであるが、わけても実隆のごと....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
軋轢《あつれき》あらざれば、士族と平民との間に敵意ありて、いかなる旧藩地にても、
士民共に利害|栄辱《えいじょく》を與《とも》にして、公共のためを謀《はか》る者あ....
「中津留別の書」より 著者:福沢諭吉
得失を問わず、ひとり洋学の急務なるを主張するゆえんなり。 願くは我が旧里中津の
士民も、今より活眼を開て、まず洋学に従事し、自から労して自から食《くら》い、人の....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
極と言うべし。 また右の議論を世の中のことに当てはめて言わん。旧幕府の時代には
士民の区別はなはだしく、士族はみだりに権威を振るい、百姓・町人を取り扱うこと目の....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
、馬琴の小説中にあらわれて居りまする宗教上の信仰や俗間の普通思想と、当時の実際の
士民男女の信仰や思想との関係もまた重要の一条件でございまする。その他曰く何、曰く....
「慶応義塾の記」より 著者:福沢諭吉
に従事するや、事、もと私《わたくし》にあらず、広くこれを世に公《おおやけ》にし、
士民《しみん》を問わずいやしくも志あるものをして来学せしめんを欲するなり。 そ....
「政事と教育と分離すべし」より 著者:福沢諭吉
、旧水戸藩において学校の教育と一藩の政事とを混一していわゆる政治教育の風をなし、
士民中はなはだ穏かならざりしことあり。政教混一の弊害、明らかに証すべし。ただ我が....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
である。 さて幕府が消滅し、封建諸侯と武士とがその特殊の身分を失って、すべての
士民は同じ一つの国民として融合したのであるから、この時から後は、皇室は直接にこの....