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「士風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

士風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
失わないのは豪気《ごうき》なものです。 と言うのは、年々歳々、日を追うて次第に士風の遊惰に傾くのを痛嘆いたしまして、士気振興武道奨励の意味から、毎年この四月の....
岩石の間」より 著者:島崎藤村
復た隣の自分の室の方へ行った。受持の時間が済めば、先生は頭巾《ずきん》のような隠士風の帽子を冠って、最早《もう》若樹と言えないほど鬱陶《うっとう》しく枝の込んだ....
透明猫」より 著者:海野十三
一人の青年が立っていた。ダブルの背広を着、頭髪をながくのばして、きれいに分けた紳士風の青年だった。しかし服装の小ぎれいなわりに、顔はやけトタンのようにでこぼこし....
空中墳墓」より 著者:海野十三
。先ず第一に、真弓さん、貴女の本当のお父さまは、無着陸世界一周飛行を敢行した操縦士風間真人氏なのです。詳しいことは言っていられないが、ここに風間氏の手記があり、....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
たりの一つを紹介しようと思う。 三浦老人はこう語った。 今日の人たちは幕末の士風頽廃ということをよく云いますが、徳川の侍だって揃いも揃って腰ぬけの意気地無し....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
奇人はこの医者ばかりでは無い。旧士族で、閑散な日を送りかねて、千曲川へ釣に行く隠士風の人もあれば、姉と二人ぎり城門の傍に住んで、懐古園の方へ水を運んだり、役場の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
るのが常であった。町人百姓はまだしも、街道の人足ですら駕籠をかついで行く途中で武士風の客から「実懇になろうか」とでも言葉をかけられた時は、必ず一|分とか、一分二....
」より 著者:島崎藤村
話して行ったら」 「いや、復た逢えたら逢おう。名倉さんへも、皆さんに宜敷」 紳士風の夏帽子を手に持って出て行く森彦を送って、間もなく三吉は姉を迎えた。 お種....
」より 著者:島崎藤村
く鶏の声は、午後の空気に響き渡った。強い、充実した、肥った体躯に羽織袴を着け、紳士風の帽子を冠った人が、門の前に立った。この人が森彦だ――お延の父だ。その日は、....
黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
音絵の住む家から一町ばかりのとある四辻に一台の自動車が止まった。中から和服の紳士風の竹林武丸が現れて音絵の家に近寄り、尺八を取り出して「残月」を吹き始めた。 ....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
その時往来の反対の方から、一つの人影が近付いて来た。月光が肩にこぼれていた。浪士風の大男であった。大髻に黒紋付き、袴無しの着流しであった。しずしずこっちへ近寄....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
だ。 先生というものは概して田舎の女性たちには相当尊敬されるもので、のんきな紳士風の人間のように思われ、荒っぽい田舎の男たちにくらべれば、はるかにすぐれた趣味....
明暗」より 著者:岡本かの子
雄は智子が傍で具合すれば杖で上手に道を探って、ステッキをあしらって歩く眼明きの紳士風に、割り合いに軽快に歩けた。長身痩躯、漆黒な髪をオールバックにした三木雄は立....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
るなぞといって、行くたんびに必ず団子を買って出した。 壱岐殿坂時代の緑雨には紳士風が全でなくなってスッカリ書生風となってしまった。竹馬の友の万年博士は一躍専門....
四つの都」より 著者:織田作之助
い翳がある) 一六 京都。 バスの通る町。 「あ、待ってくれ」 と、一人の産業戦士風の男が叫びながらトランクをかゝえて、駈け出して来る。 船山という傷痍軍人であ....