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「壮丁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

壮丁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
時頃には雨が降出して、窓から外に見える並木も暗かった。 九十二壮丁《そうてい》という壮丁は続々国境に向いつつあった。出征する兵士の並木街を通る....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
しょうね。 刺青の話 一 そのころの新聞に、東京の徴兵検査に出た壮丁のうちに全身に見ごとな刺青をしている者があったという記事が掲げられたことがあ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
ついで、その命令を各戸に伝達すると、二十四時間にその管下に集まらなければならない壮丁たちは、父母妻子に別れを告げる暇もなく、あるは夕暮れの田舎道に、あるは停車場....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
何でした? 私共の村でもやはり騒ぎました。けたたましく警鐘が鳴り、「来たぞゥ」と壮丁の呼ぶ声も胸を轟かします。隣字の烏山では到頭労働に行く途中の鮮人を三名殺して....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
まわしは、すっかり職工気どりであった。まだ、顔は子供っぽかったが、躯《からだ》は壮丁なみに発達していた。康子は甥の歌声をきくと、いつもくすくす笑うのだった。……....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
もくそもいっていられない。そこで何しろ事に当たるものは若い者に限るとなっている。壮丁を必要とするのだ。だから今の芸術は画壇でも何でも若いものが、その中心となって....
社会時評」より 著者:戸坂潤
色々あって、現役は云うまでもなく問題ないとして、在郷軍人や青年団や青訓生其他の「壮丁」と呼ばれるものが都市や農村を通じて充満している事実を見逃してはなるまい。例....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
害費」こそ最も即効のある国防費ではないのか。 矯風会の久布白女史は、岩手県の「壮丁」の体格が三十三年度に全国で五番から三十四位に転落したのは、大正二年の凶作の....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
る。これは実に日本の農村の古来未だ曾《かつ》てなかった一大事件であるのみならず、壮丁の支那進出は、この分ではいよいよ多くなろうとも減ずる気づかいはない、今後労力....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
快《ふゆかい》に感《かん》ずることである。 余のために轎《かご》を担《かつ》いだ壮丁《そうてい》の好意 中国式の轎《かご》は不潔《ふけつ》ではあるが、読書する....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
年であることを止めて、青年に、その目に妻を求め、その肩に銃を担うに耐うるところの壮丁になりつつあった。 体重五五キロ、身長五尺二寸五分 五年生の初め体格検査....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ばかりでなく、新たに五十人の味方が出来た。今まで敵であった部落の土人が、五十人の壮丁を選りすぐって従軍させたいと云い出したからで、ラシイヌはそれをすぐ許した。彼....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
気持にならなくもない。 徴兵検査に特に風情を添えてみようじゃないかというので、壮丁は法廷の女の子なみにデタラメの年齢をいってよろしいということにする。 「いく....
挙国一致体制と国民生活」より 著者:戸坂潤
い例は保健社会省の新設の類だろう。之は初め保健省という名で立案された。というのは壮丁としての国民の体位が低下したという動員的意味から動機づけられたものであった。....
近衛内閣の常識性」より 著者:戸坂潤
ない。一体保健省問題は軍部から起きたが、なぜ軍部がこの問題を提出したかと云えば、壮丁の体位が最近頓と低下したからだ。そこで壮丁の体位は国民の戦闘力を減少するとい....