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壮図
「壮図〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壮図の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
あったから。彼はルイザを見たと同時に、油を注がれた火のようにいよいよロシア侵略の
壮図を胸に描いた。殊に彼はルイザを皇后に決定する以前、彼の選定した女はロシアの皇....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
かに勇猛であるといっても、敵勢を押しかえすことは、まず困難ではないかと思われた。
壮図はついに空しく、わが大勇士川上機関大尉は飛行島の下甲板に散るのであろうか。 ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
うとしてると聞いた時、私の親友は驚いて叱咤の手紙をよこした。一婦人のために空しく
壮図をあきらめるとは何事か。いさぎよく彼女を捨てよと。 しかし私には友の心は解....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の現状では、フランスは、その人口の源泉を破壊することなくしては、一時行ったと同じ
壮図《そうと》を実行することは出来ないであろう。 あらゆる時代に、フランスの兵....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
った。沙阿弥の死骸はその翌日、泉水の畔で見出された。 七 秀吉暗殺の
壮図破れ、面目を失った五右衛門は、秀次の許を浪人! ふたたび剽盗の群へ這入った。....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
りに添えたものだが、いかにチェーホフのはにかみを計算に入れたところで、あれほどの
壮図を裏づけるだけの動機をこれらの言葉から抽き出すことはできない。 要するにチ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
。一代の詩人の不幸なる最後にふさわしい極めて悲壮沈痛なる劇的光景であった。空しく
壮図を抱いて中途にして幽冥に入る千秋の遺恨は死の瞬間までも悶えて死切れなかったろ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
代思想にも十分な理解を持っていたが、若い自由な思想に活きるよりはヨリ以上に国士的
壮図の夢を見ていた。文学的天才に恵まれていながら文学に気乗りがせず、トルストイや....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
るを傍観す。動止整然たり。当日、コロンブス発見の往時を回想して一詩を賦す。 希世
壮図何物遮、閣竜究尽水天涯、当年移殖文明種、今作。 (空前の壮大なる意図はなにも....
「三国志」より 著者:吉川英治
う。おれのことを、いつも短気というが、尊公の性質は、むしろ優柔不断というやつだ。
壮図を抱く勇者たる者は、もっと事に当って、果断であって欲しいものだ」 「はははは....
「三国志」より 著者:吉川英治
します。 次には、 閣下がこの度、北平(河北省・満城附近)の征伐を思い立たれたご
壮図に対しては、自分からも満腔の誠意をもって、ご必勝を祈るものであります。 馬匹....
「三国志」より 著者:吉川英治
、遼東の地をあわせ定めておかなければ、冀北、冀東の地も永久に治まるまい」 彼の
壮図のもとに、ふたたび大軍備が命ぜられたが、もとよりこれには曹洪以下、だいぶ異論....
「三国志」より 著者:吉川英治
両名で事足りなん。われは南下して、直ちに呉の濡須にいたらん」 曹操は決断した。
壮図なお老いずである。江を下る百帆の兵船、陸を行く千車万騎、すでに江南を呑むの概....
「三国志」より 著者:吉川英治
数百里のあいだは次の日になっても黒煙濛々としてこの帰結を見ることもできなかった。
壮図むなしく曹丕が引き揚げてから数日の後、淮河一帯をながめると縹渺として見渡すか....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
事である。 おそらくは首尾両端の苦戦を途上で余儀なくされよう。そしてせっかくな
壮図も、乱脈な状におちいるしかない。 いや九州ばかりか。 石見地方でも、宮方....