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「壮快〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

壮快の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
ことである。予はただこの自由と活動の小樽に来て、目に強烈な活動の海の色を見、耳に壮快なる活動の進行曲《マーチ》を聞いて、心のままに筆を動かせば満足なのである。世....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
日は暮れんとして空は又雨模様である。四方に聞ゆる水の音は、今の自分にはもはや壮快に聞えて来た。自分は四方を眺めながら、何とはなしに天神川の鉄橋を渡ったのであ....
俊寛」より 著者:菊池寛
くかかった。が、彼が額に汗を流しながら、その幹に鉞を打込むとき、彼は名状しがたい壮快な気持がする。清盛に対する怨みなどは、そうした瞬間、泡のように彼の頭から消え....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
の水際だった操縦ぶりは、演習という気分をとおりすぎて、むしろ実戦かと思われるほど壮快無比なもので、イヤ壮快すぎて、物凄いと云った方が当っているくらいだった。いつ....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
熱帯にちかい香港に、太刀川青年がぶらりと姿をあらわしたのは、七月一日であった。壮快な夏であった。海は青インキをとかしたように真青であり、山腹に並ぶイギリス人の....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
る人間同士が親愛であれば幸甚であろう。とにかく夏はオープンの車体を走らせることが壮快にして晴々していることではある。 「今はもう皆あれだす」といって漸く着せて見....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
井忠清は取り分け彼を愛していた。 で、此時も邸へ招いて、彼の口から語り出される壮快極わまる冒険談を喜んで聞いたということであるが、其時座中には堀田正俊だの、阿....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
そんなことはどうであろうとも、ただこの伝統的な河開きの気分を味えば好いのである。壮快という感じがその気分の一部分を占めていて、それが万人に共通する。都会における....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
をかつぎだしたり、積み荷の行李を持ちだしたりする、不気味といえば不気味でもあり、壮快といえば壮快ともいえる、掠奪の光景が演じられたのも、それから間もなくのことで....
私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
たかもしれない。また白馬にまたがり、アリゾナの原野をかけめぐる、トモ・ミックスの壮快な姿は今も眼にのこり、サイレントで銃声は聞えねど、それより大きくせまってきた....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
思えば、それはこうした芝居の紋切り形であるが、その当時のわたしにはそれがいかにも壮快に感じられた。実際、それは初代左団次が最も膏の乗っている当時であるから、舞台....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
郷里の親友信者が波間のボート中より各自に帽子あるいはハンカチーフを空に振りつつ壮快に西に向って進行するわが舟を見送りましたが、その後は和田の岬より古き親近の金....
西航日録」より 著者:井上円了
が華厳の時の景色なり(日上先照)(日のぼりてまず高山を照らす) 山頂の眺望実に壮快を極め、その光景の雄壮なること、島国人種の想像しあたわざるところなり。北方一....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、渺茫無涯の海天、断雲日面をおおい、その間隙より旭光の放射せるを見るは、すこぶる壮快なり。午後、大人が鶏の形を擬してすもうをなし、猿猴の水を泳ぐ形を装って競走せ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
そこで皆が大型の方へ乗り移ると、ぼうと汽笛が喚く。揺れる揺れる。煙が吹きまく。壮快壮快、海岸には西瓜の山だ。丘だ、煙突だ、レールだ、そして防波堤だ、浮標だ。 ....