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壮漢
「壮漢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壮漢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
げ出した。すると甚兵衛もそれに釣られて、十間ばかり追いかけようとした途端、一人の
壮漢が彼の行手を遮ったのである。 その男は、南蛮ふうの異様の服装をしていた。そ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
一旦立ち停った僕は、再び駈けつけようとした途端、横合から飛びだして来た四、五人の
壮漢……。呀ッという間もなく僕の向う脛を掻っ払った。僕は俵のように※と地上に転倒....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
為に大分暇をとった。それでも執拗に追撃の手をゆるめなかったが、突然敵方に強弓の一
壮漢が現れた。九州の住人、須々木四郎と名乗って雨の如く射かけたから堪らない。 ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
の鬘が取れた。その手で顔をツルリと撫でた。と、若々しい顔になった。 三十前後の
壮漢が、老人の殼から抜けて出た。 その翌日のことであった。 香具師はお城へ出....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
俗謡の意と悲壮な声とがどんなに僕の情を動かしたろう。二十四、五かと思われる屈強な
壮漢が手綱を牽いて僕らの方を見向きもしないで通ってゆくのを僕はじっとみつめていた....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
何者とばかり放す手を止め声のした方をきっと見ると、ひと群茂った林の中から裸体の
壮漢が飛び出して来た。信濃の秋は寒いというに腰に毛皮を纏ったばかり、陽焼けて赤い....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
の玉』少尉を慰めてやってくれ」 間もなく、当番兵につれられて、部屋へ入ってきた
壮漢、見れば警防団服に身を固めていて、ちゃんと右手もついている。 新しい警....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
うであった。大月大佐であろうか、正面にやはり毛皮を頭からすっぽりと被った長い髭の
壮漢が、どっかと粗末な椅子に腰をかけていた。 「こっちへ連れてこい」 大佐は一....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
!」こう云ったのは浮木である。 「珍らしいの、浮木の姥か」 こう云って進み出た
壮漢は、この一党の頭と見え、荒々しい顎鬚を顎に貯え、手に鉄棒をひっさげている。年....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
老売卜者が体をこわばらせたのは、次のような事件が起こったからである。目明しふうの
壮漢が、人波を分けて泳ぐように、儒者ふうの老人に近寄って行く。と、もう一人の若い....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
のではあるまいか。又は鉄塊上の一点を狙って大ハンマーを繰返し繰返し振り下す青服の
壮漢の、焦らず弛まぬ純誠純一な身心の活動美も、又ソックリそのまま能のソレに当ては....
「荘子」より 著者:岡本かの子
居るところへ「蠅翼の芸人」が入って来た。半身から上が裸体で筋肉を自慢に見せて居る
壮漢が薄手の斧を提げて来た。あとから美しく着飾った少女が鼻の尖にちょんぼり白土を....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
だ(これがイギリス人である!)が、まもなく法と秩序の本能が蘇ったと見えて、二人の
壮漢が飛び出し、組み敷かれた役人を援けてくれた。チノコは、頭に一撃を食い、どっと....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
壇に立ち、婦人大会の形式によって煤煙防止を決議せんとした時、いずこよりともなく、
壮漢が十数名バラバラと現れた。 「女弁士! 質問がある! 」 「質問は後にして下....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
し、小作民解放を説く大熱弁? をふるった。ところが二階から突然『そうだ』と叫び一
壮漢が立上がったかとみるや、下にとび降りた。とび降りた当人はなんでもなかったが、....