壮美[語句情報] » 壮美

「壮美〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

壮美の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
ざと浮びでた。それは西山にとってはどっちから見てもこの上なく厳粛《げんしゅく》な壮美な印象《イメージ》だった。西山はしばしばそれに駆《か》りたてられた。 「そう....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
き》における英雄主義の最後の光であって……熱がなく、憂愁にみちて、傾く日のように壮美である」。また「〔e'le'gance〕の教説」として「一種の宗教」である。....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
れてしまい、すでに神ヶ原では、五人の周囲に人影もなかった。 かくして、一種の悲壮美が、怪教馬霊教の終焉《しゅうえん》を飾ったのだったが、その五人の一族は、それ....
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
ながら。心は氷のように冷たく、うち沈み、いたみ、――どんなに想像力を刺激しても、壮美なものとはなしえない救いがたいもの淋しい思いでいっぱいだった。なんだろう、―....
マリア・バシュキルツェフの日記」より 著者:宮本百合子
じめた。ところが、画題の選択の面では彼女の少女時代からつきまとっている貴族主義、壮美の趣味がつきまといつづけた。「出あい」を描く一方で、マリアは刺客におそわれて....
一九二三年夏」より 著者:宮本百合子
――○―― ◎私は自分が、空想に支配され、いつも目の先にあらゆる壮美なもの、崇高なものの幻を描きながら、毎日は手をつかね坐り、ぼんやり思いに耽っ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
漱石が文学論のなかで、十八世紀文学の常識と無風流と、日常性の見本として、何処にも壮美がないと、あの人らしい美学を論じていますが、成る程、仰云るような古くささが、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ローマ平野の熱っぽい謎《なぞ》のうちに、彼はもはや敵意を感じなかった。彼はその悲壮美の主となっていた。眠れるデメーテルを両腕に抱きかかえていた。 四月に、彼は....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
反対する人もあります。その「反対」する人々は大河をせき止めえた夢をみてみずから「壮美」を感ずる人々です。しかも実は左岸の破り去られつつあることに気のつかない人々....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の全体は一場の夢以上のものではなく――想像の幻想にすぎない。この幸福と不死との『壮美なる宮殿』この真理と徳性との『厳粛なる殿堂』は、吾々が現実の生活に眼醒め、地....
西航日録」より 著者:井上円了
館、美術館、帝王廟、劇場等を一覧し、また公使館の紹介にて王宮を拝観せり。王宮は広壮美麗なるも、これを寺院会堂に比すれば、さまで驚くべきほどにあらず。宮内の各室を....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
て、ほとんど行人をしてくらませしめんとす。昔時にありては、リスボン市街は世界中に壮美をもってその名高かりしが、今これを見るに、欧州首府中の最下等に落ち去る。これ....
越年」より 著者:岡本かの子
す決心でいるんだからね」 山岸の提言に他の社員たちも、佐藤加奈江を仇討ちに出る壮美な女剣客のようにはやし立てた。 「うん俺達も、銀ブラするときは気を付けよう。....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
肉体というものを持っている筈がない。 だが、静かにそこを冷観すると、なんという壮美な活景だろう。空には妖麗な金剛雲――地にはほのかな宵月の明り。 花には露の....