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「壮重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

壮重の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白妖」より 著者:大阪圭吉
自動車ですから、切符なぞ売りません」 「なに、堀見?……ははア、あの岳南鉄道の少壮重役だな。じゃあ、クーペの操縦者は、堀見氏だったんだね?」 「さあ、それが……....
「草野心平詩集」解説」より 著者:豊島与志雄
ついて云々するのは止めよう。全体として、支那大陸の雰囲気が漂ってることと、表現が壮重になってることとを、指摘しておけば充分であろう。 五 ここには....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
た。一、二寸角の、荒目の格子で、どっしりとした黒光りの蔵造りの、間口の広い店は、壮重なものにさえ見えた。灯《とも》し火がつけば下の方だけの大戸が下りて、出入口は....
魔都」より 著者:久生十蘭
オルゴールのような細い透き通るような音だったといい、或者はパイプオルガンのような壮重極まりない音だったと語り、音についての感想はまちまちだが、然しそれは単なる市....
木蔭の椽」より 著者:宮本百合子
細かく黒くちらつかせる檜葉の葉ごしに眺められた。閉め切った硝子戸の中はまだ夜だ。壮重な夜あけを凝っと見て居ると、何処かで一声高らかに鶯が囀った。ホーと朗らかに引....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。ここにふくまれているような、精神のきめ濃やかな人間の美を、人間のエリットのもつ壮重な美しさを、どういう芸術によってあらわし得るでしょうか。強壮な正しさが美と一....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
きり、もう再び正隆の方へ振向きもしなかった。最後の言葉を、課長は、確信のある者の壮重と、威圧とで断言したのである。 この一句が、正隆の心じゅうを、グンと小突き....
道標」より 著者:宮本百合子
・ブル※ールの生に飽和した雰囲気に対して、きわめて独特な効果を与えるようだった。壮重に、美しく、様式化されている無名戦士の墓の悲傷の象徴は、ブル※ールの外国人た....
長崎の一瞥」より 著者:宮本百合子
巡した旅客の記憶にも確り印象されるのは、この水に配された石橋の異国的な美や古寺の壮重な石垣と繁った樹木との調和等ではあるまいか。長崎には夥しく寺がある。その寺々....
南路」より 著者:宮本百合子
て建っているのである。 ところどころに十字架を翳し、どこにも窓というもののない壮重な建物の外廓は、自然の麗しいパアムや胡椒によって少なからず深い憂鬱を詩化され....
日記」より 著者:宮本百合子
り刺戟強く少し苦しかった。が、彼の稀有な長閑《のどか》さをくずすまい為、静かに、壮重な音楽をきいた。此ラルゴは、国男さんも非常に好きだ。自分も好む。Aが好きでな....
待呆け議会風景」より 著者:宮本百合子
体の幅全体を向けて端然としているこのひとの体の構えと全く一致していて興味ふかい。壮重な声が一見、余りあたり前の、努力いたす決心であります。というようなことをくり....
宵(一幕)」より 著者:宮本百合子
をかけましょうよ。 良 三 ――少しは胆にこたえたか、と云って奥さんは、いよいよ壮重な涙を「幾百の幼児のために」こぼすだろう。 やす子 随分意地ずくね(目に止ま....