声を張り上げる[語句情報] » 声を張り上げる

「声を張り上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

声を張り上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
慎太郎は蒼《あお》い顔をしたまま、このいさかいを眺めていた。が、姉がこう泣き声を張り上げると、彼は黙って畳の上の花簪を掴《つか》むが早いか、びりびりその花び....
人間失格」より 著者:太宰治
だが、と言葉では嘆じながら、手で口を覆って笑っていました。自分は、あの雷の如き蛮声を張り上げる配属将校をさえ、実に容易に噴き出させる事が出来たのです。 もはや....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
と、いやに調子づいたドン・モラガスが、舞台では見られない活々さをもって独特の金切声を張り上げるのを聞いてみると、こうだ。 HOTEL・RITZ――マドリッド第....
」より 著者:豊島与志雄
ことか、とそんな気持で、彼は女学生の讃美歌合唱を頭の中に描きながら、ばかばかしく声を張り上げる。 そういう騒ぎが、或る晩突然中断された。 「おい、公爵令嬢、君....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
具買に身を※した、香具師の親方|猪右衛門であった。 ジロジロ室の中を覗いたが、声を張り上げると云ったものである。 「家財道具やお払い物、高く買います高く買いま....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
捨吉の姿が通りに見え出すと、女工たちは窓から乗り出したり手を振ったりしてキイキイ声を張り上げる。なかなかの人気だった。 この捨吉が、ぎんへはこっそりと並ならぬ....
樹氷」より 著者:三好十郎
んなして…… 一同が拍手。小太鼓がすり打ち。それがピタリとやんで、いきなり胴間声を張り上げる。下手な黒田節。下手ながら、喜びに溢れた器量一杯の節廻しで。 「....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
かちょっと顔を後へ向けて魯八の顔を見る。ちゃんと知ってて魯八は如何にも大ぎょうな声を張り上げる。 ――今日のおまんまに有り付けねえとはよく言ったね。お大名はエ....