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「声価〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

声価の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
賞したという噂を、新聞で読んだ時、俺はもう「万事休す」だと思った。もう、あいつの声価は決った。あいつが不意に死なない限り、文壇に認められるのは既定の事実だ。俺は....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
のは全く匿名の故である。余り高名ならざる御子息の名を載せたが最後、忽ち人気が落ち声価の減ずるは眼《ま》のあたりの事と、すげなくもこれを拒絶したのであった。しかる....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
握ること数であったが、固より些の学問が技芸を妨げるはずはないので、次第に家元たる声価も定まり、羽翼も成った。 明治三十六年勝久が五十七歳になった時の事である。....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
にしてその頃は封建時代で、その時代特有の窮屈な規範に縛られ易い能楽の事とて、翁の声価も極めて小範囲に限って認められていた憾みがある。前にも述べた通り万一これが、....
十二支考」より 著者:南方熊楠
《にんじん》が第一てふ実験談を録しあった。大戦争で外薬輸入杜絶の後人参がたちまち声価を挙げ、また実際著しき効験《ききめ》あるは予もこれを知り、三好博士の学論をも....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
う語った。機関長はわが船員中のケルト人のあいだには、前兆を予言する人として相当の声価を有しているのである。 冷静な、実際的なこの人種に対して、迷信がかくのごと....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
時に、その販売法をも改めさせることに致しました。その結果、ここ数年来は信州林檎の声価が大いに上り、本年の如き信州林檎四十斤入りが、青森産の四十八斤入りよりも高価....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
だといって非難するであろう。しかしそれをも意に介せない。鶴見はこれによって鴎外の声価を少しも損ねようとは思っていないのである。 鴎外にも弱点はあった。鴎外は自....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の業者が技をこらしても、御木本ほどの真珠がつくれないのだそうだ。その秘術によって声価を独占しているのだから、それを見破られると元も子もなくなる。見学を拒絶するの....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の仔犬を探したり選んだりしてくれるだけのことでしょう。彼は秋田犬に仕え、秋田犬の声価のために一生を棒にふることをも喜びとするような、本当に善良で純粋の愛犬家であ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
州の炭坑においては大そうリリしく立働き、文士も一かどのサムライであるというような声価を高めた。人は見かけによらないのである。 檀君らは、小生を最年長の故によっ....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
に日光だけの天然を持たせたならば、見る人の耽美の情を揺するこの芸術は、日光以上の声価をもって世界に紹介されたであったろうと思う。 江戸時代の権勢と金力と、審美....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
までに軽蔑を受くることもなからん。豆腐も洋人のテーブルに上《のぼ》らばいっそうの声価を増さん。鰻《うなぎ》の蒲焼き、茶碗蒸し等に至りては世界第一美味の飛び切りと....
フランス料理について」より 著者:北大路魯山人
フランス料理の声価は、世界第一のごとく誇大に評判され、半世紀以上に渉って、われわれ日本人を信じ....
読倫理教科書」より 著者:福沢諭吉
、『女大学』をして、益軒翁以下、尋常文人の手にならしめなば、折角の著書もさまでの声価を得ざりしことならん。 この他、『唐詩選』の李于鱗《りうりん》における、百....