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声色
「声色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
声色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
しい表情。少年はだんだん小さくなって行く。そこへ向うに立っていた、背《せ》の低い
声色遣《こわいろつか》いが一人《ひとり》やはりこちらへ歩いて来る。彼の目《ま》の....
「父」より 著者:芥川竜之介
になって披露《ひろう》する。詩吟《しぎん》、薩摩琵琶《さつまびわ》、落語、講談、
声色《こわいろ》、手品《てじな》、何でも出来た。その上また、身ぶりとか、顔つきと....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
《ふた》を明けたり閉めたりさせる音、それから教壇へとび上って、毛利先生の身ぶりや
声色《こわいろ》を早速使って見せる生徒――ああ、自分はまだその上に組長の章《しる....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
。そこで麦藁帽子をかぶるが早いか、二度とこの界隈へは近づくなと云うお敏の言葉を、
声色同様に饒舌《しゃべ》って聞かせました。新蔵はその言葉を静に聞いていましたが、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
が東京で或学校に講師だった、そこで知己の小使が、便って来たものだそうだが、俳優の
声色が上手で落語も行る。時々(いらっしゃい、)と怒鳴って、下足に札を通して通学生....
「怪塔王」より 著者:海野十三
出てきたような細いしゃがれた声でありました。 大利根博士が、いつの間に怪塔王の
声色をつかうようになったのでしょうか。 博士は、いやに落着きはらって、転げまわ....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
の出動 「司令官閣下、どうぞ」 快速艇がくると、潜水服姿の太刀川は、リーロフの
声色をつかって、こういった。ケレンコが、のりこむと、 「さあ、リーロフ。お前も早....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
にかく副官に笑われて、ここへかえってきたのだ。重大な試運転の真最中に、誰か副官の
声色をつかって、俺を一ぱいくわせたのかとむかっ腹をたててここへ帰ってくると、ほら....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
膏切った髑髏と、竹如意なんだよ――「ちとお慰みにごらん遊ばせ。」――などとお時の
声色をそのまま、手や肩へ貸本ぐるみしなだれかかる。女房がまた、背筋や袖をしなり、....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ナイフを突きつけました。 「さあ、正直に白状おし。お前は勿体なくもアグニの神の、
声色を使っているのだろう」 さっきから容子を窺っていても、妙子が実際睡っている....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
はないぞ」という同じせりふを何べんとなくくり返した。もちろんそれは弁士のつたない
声色であるが、この年になつてもいまだにその節まわしが耳に残つているところをみると....
「迷信解」より 著者:井上円了
に目に狐の形を見、耳に狐の声を聞き、狸憑きにかかるものは、狸のあらざるに日夜狸の
声色を現見するは、全く心の妄想がほかに現れて、幻像、妄境を組み立つるゆえである。....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
然には錆のある声で若辰の節を転がして喝采を買ったもんだそうだ。二葉亭の若辰の身振
声色と矢崎嵯峨の屋の談志の物真似テケレッツのパアは寄宿舎の評判であった。嵯峨の屋....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
文学を講ずるや微に入り細に渉って批評し、かつエロキューションに極めて巧妙で、身振
声色交りに手を振り足を動かし眼を剥き首を掉ってゴンチャローフやドストエフスキーを....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ガラガラ声が大衆の周知のものとなった。ラジオや寄席の声帯模写にもしばしば私の声の
声色が登場して苦笑している。徳川夢声氏と対談したとき『あれは沼さんの声だと誰でも....