声高[語句情報] »
声高
「声高〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
声高の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
ると突然親族席に誰かくすくす笑い出したものがある。のみならずその笑い声はだんだん
声高《こわだか》になって来るらしい。保吉は内心ぎょっとしながら、藤田大佐の肩越し....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ふけて、ふと目をさますと、太郎次郎という兄弟のものと、沙金《しゃきん》とが、何か
声高《こわだか》に争っている。どうしたのかと思っているうちに、次郎が、いきなり太....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
う己《おれ》は、葛城山《かつらぎやま》の足一《あしひと》つの神だ。」と言って、一
声高く口笛を鳴らしますと、森の奥から一匹の白犬が、落葉を蹴立てて駈《か》けて来ま....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ました。そうして眼をつぶったまま、何やら怪しげな陀羅尼《だらに》のようなものを、
声高《こわだか》に誦《ず》し始めました。それがどのくらいつづいた事でございましょ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《むぞうさ》に卓子《テエブル》の上へ落したり、あるいはまた自分の洒落《しゃれ》を
声高《こわだか》に笑ったり、何かしら不快な事をしでかして、再び私の反感を呼び起し....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
。すると馬も創《きず》を受けたのであろう。何小二が鞍の前輪へつっぷすが早いか、一
声高く嘶《いなな》いて、鼻づらを急に空へ向けると、忽《たちま》ち敵味方のごったに....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
くしま》きの頭を動かしていた。
「慎太郎が来たよ。」
戸沢の側に坐っていた父は
声高《こわだか》に母へそう云ってから、彼にちょいと目くばせをした。
彼は父とは....
「路上」より 著者:芥川竜之介
。」
土耳其帽《トルコぼう》は俊助の賛成を求める心算《つもり》か、わざとらしく
声高《こわだか》に笑って見せた。が、俊助は下を向いたまま、まるでその癇高《かんだ....
「或る女」より 著者:有島武郎
法学|博士《はかせ》夫人万歳」「万歳」「万歳」
田川その人に対してよりもさらに
声高《こわだか》な大歓呼が、桟橋にいて傘《かさ》を振り帽子を動かす人々の群れから....
「星座」より 著者:有島武郎
。
突然清逸の注意は母家《おもや》の茶の間の方に牽《ひ》き曲げられた。ばかげて
声高な純次に譲らないほど父の声も高く尖《とが》っていた。言い争いの発端《ほったん....
「親子」より 著者:有島武郎
くつあっても足りませんので」 そう言って矢部は快げに日の光をまともに受けながら
声高に笑った。その言葉を聞くと父は意外そうに相手の顔を見た。そして不安の色が、ち....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
考えられている罪人(己れの罪を知ってそれを悲しむ人)は自分の強味と弱味との矛盾を
声高く叫び得る幸福な人達なのだ。罪人の持つものも偽善者の持つものも畢竟は同じなの....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
しい頌歌が起った。シオンの山の凱歌を千年の後に反響さすような熱と喜びのこもった女
声高音が内陣から堂内を震動さして響き亘った。会衆は蠱惑されて聞き惚れていた。底の....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
爛々と眼を光らせた虎が一匹、忽然と岩の上に躍り上って、杜子春の姿を睨みながら、一
声高く哮りました。のみならずそれと同時に、頭の上の松の枝が、烈しくざわざわ揺れた....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
を思うままについばんでいた。正直ものの駒鳥がいた。これは子供の狩猟家の好む鳥で、
声高に愚痴をこぼしているような鳴き声だ。黒鳥はさえずりながら黒雲のようにむらがっ....