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売る
「売る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
ったという訣《わけ》ではない。もう今では二年ばかり前、珊瑚珠《さんごじゅ》などを
売る商人の手代《てだい》と僕等を欺《あざむ》いていたこともある。それを発見した第....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
じゃないの?)名前は結婚って云うけれども、ほんとうは売笑婦《ばいしょうふ》に身を
売るのと少しも変ってはいないと思うの。
「けれどもあなたはあたしと違って、立派に....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
べつ》とを感じていた彼は未だにその依頼に取り合わずにいる。ああ云う雑誌社に作品を
売るのは娘を売笑婦《ばいしょうふ》にするのと選ぶ所はない。けれども今になって見る....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
鼻を打った。
いつか彼女の心の中には、狂暴な野性が動いていた。それは彼女が身を
売るまでに、邪慳《じゃけん》な継母《ままはは》との争いから、荒《すさ》むままに任....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
くわえながら、「こう云うものが出来ると、羊頭《ようとう》を掲げて狗肉《くにく》を
売るような作家や画家は、屏息《へいそく》せざるを得なくなります。何しろ、価値の大....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
りではありません。それから一月とたたないうちに今度はせっかくの腕時計や背広までも
売るようになって来ました。ではその金はどうしたかと言えば、前後の分別《ふんべつ》....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
やみ》にかかって死ななんだら、今でも売りに往んでいた事であろ。それもよ、この女の
売る干魚は、味がよいと云うて、太刀帯どもが、欠かさず菜料《さいりよう》に買ってい....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
は後《のち》になっても、和尚贔屓《おしょうびいき》の門番が、樒《しきみ》や線香を
売る片手間《かたでま》に、よく参詣人へ話しました。御承知かも知れませんが、日錚和....
「少年」より 著者:芥川竜之介
るのである。あるいはそれでも知らぬ顔をすると、今度は外国語の授業料の代りに信仰を
売ることを勧《すす》めるのである。殊に少年や少女などに画本《えほん》や玩具《がん....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
下げた希臘人《ギリシアじん》である。
或資本家の論理
「芸術家の芸術を
売るのも、わたしの蟹《かに》の鑵詰《かんづ》めを
売るのも、格別変りのある筈はない....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
るだろう」 「ええ、それから画などもあるし」 「次手にNさん(姉の夫)の肖像画も
売るか? しかしあれは……」 僕はバラックの壁にかけた、額縁のない一枚のコンテ....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
だ。」 今恒藤は京都帝国大学にシュタムラアとかラスクとかを講じ、僕は東京に文を
売る。相見る事一年に一両度のみ。昔一高の校庭なる菩提樹下を逍遥しつつ、談笑して倦....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ランド町の二番地に、ジョージ・リボーという人の店があった。文房具屋で、本や新聞も
売るし、製本もやっていた。リボーは名前から判ずると、生来の英国人では無いらしい。....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
ら、われわれ同胞の血がしたたる」とか「一将功成って万骨枯る」とか「早稲田を軍閥に
売るな」「学生はしっかりしろ」とかと弥次って研究団の発会式も思うように行かなかっ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
に忽ち「毎度御やかましうございますが」と甲高い声を出しはじめたのは絵葉書や雑誌を
売る商人である。これもまた昔に変っていない。若し少しでも変っているとすれば、「何....