売れ口[語句情報] » 売れ口

「売れ口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

売れ口の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
寒さ」より 著者:芥川竜之介
いた。 「その代りに文学者は上《あが》ったりだぜ。――どうだい、この間出した本の売れ口は?」 「不相変《あいかわらず》ちっとも売れないね。作者と読者との間には伝....
道楽と職業」より 著者:夏目漱石
い》るのです。私は新聞に関係がありますが、幸《さいわい》にして社主からしてモッと売れ口のよいような小説を書けとか、あるいはモッとたくさん書かなくちゃいかんとか、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
があるというので、四、五日経ってから惣八は再びその模様を探りに行くと、其月はその売れ口があると云ったので、惣八はよろこんで帰って、早速その売り主の元吉というのを....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ら、支那の国産品にゃ違いなかった。資本をのければ。 猛烈な日貨排斥運動に、皆目売れ口がない神戸マッチを輸入して、関税や、賦金や、附加税を取られるよりは、労働賃....
骨董」より 著者:幸田露伴
かり致してまいれ、御直段の事はいずれ御相談致しますということで」といった。定鼎の売れ口がありそうな談である。そこで廷珸は悦んで例の鼎を出して仏元に渡した。廷珸は....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
なかこの鼻を思う通りの美的条件に合わせて生み付けてくれませぬので、たった鼻一つで売れ口の遅れるような実例が方々に出来て来るのであります。このような女性は毎日鏡を....
少年探偵長」より 著者:海野十三
金)かね」 「純金に近い二十二金ですわ」 「ふふん。で、値段はいくら」 「あまり売れ口がええものやないさかい、まあ大まけにまけて三十万円ですな」 「三十万円! ....
今日の文化の諸問題」より 著者:宮本百合子
そのような大生産のできる資本を持った雑誌は、数えるほどしかなく、それらの雑誌社は売れ口を数でこなすために、もっとも文化水準の低い広汎なおくれた層を目指し、支配階....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
この者じゃないんだ――そこにいわくがあるのだ、なにしろ、ここの人間には、今とても売れ口がないのだよ、このマスロフというのが親子とも十万|分限《ぶげん》のやりてで....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
一人であるが、子供は婚家にあって一人身であり、なかなか美人だから、いずれはどこか売れ口の見込みがあり、前途があるから家族なみに生活させて貰っている。 貞吉はま....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
なったり、そんなことでも腹を立てていたが、何といってもオメカケが国賊となり、私の売れ口がなくなったのが、口惜しさ憎さの本尊だった。 「ああ、ああ、なんという世の....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
来ん。 ごくのお婆さんとかごくの醜婦でなければ後家で居る者は稀である。もう少し売れ口のあるような女なれば必ず良人を持つ。チベットでは四十あるいは五十位までは嫁....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
えばその巻物一つだった。なんとかこれを種にして、出世の蔓とはゆかないまでも、体の売れ口はないものかと僥倖をたのむ気持が、そのために、赤壁|八十馬にうまうまと詐欺....
春さきの古物店」より 著者:小川未明
だ。おまえさんなどは、そうおいぼれたばあさんでもないから、春になったら、どこへか売れ口がないものでもない。」と、脊高な、口だけは達者であるが、そのわりに能のなさ....